• 糖尿病
  • 2017/3/17

家族が糖尿病!遺伝はする?発症は抑えられるのか?を解説!

糖尿病

家族に糖尿病がいた場合はもしかたしたら自分も・・ととても心配ですよね。糖尿病は遺伝するらしいと聞いたことがあり、自分は糖尿病になるのか、もしかしたら自分の子供に糖尿病が遺伝してしまうのではないか・・。そんな不安もあると思います。実際に糖尿病に遺伝要素はあるのか?さらに糖尿病の発症は抑えられるのか?を詳しく見ていきます。

1.糖尿病は遺伝するのか

糖尿病の親や祖父母がいると糖尿病に必ずなるわけではありません。糖尿病の家族歴がない人に比べて 糖尿病になりやすいことは確かですが、遺伝するのは糖尿病そのものではなく、 「糖尿病になりやすい体質」が遺伝するのです。

「糖尿病になりやすい体質」の人は糖尿病を発症するリスクが高いと言えます。ですが、遺伝要因だけで発症するわけではなく、大半は肥満、運動不足、ストレス、加齢などの環境要因も加わることにより、糖尿病を発症すると考えられています。

2.遺伝する糖尿病の種類

糖尿病には1型糖尿病と2型糖尿病があります。血糖が高い状態になってしまう点では一緒ですが、遺伝との関連性の違いや症状が現れるタイミングなどが異なります。糖尿病の大半は2型糖尿病で、1型糖尿病は数%程とわずかになっています。そのため、一般的に糖尿病を指す場合、この2型糖尿病を指します。

2-1.1型糖尿病

1型糖尿病は、多くの場合において、両親から遺伝していると考えられ、1型糖尿病に関連する遺伝子も17種類が発見されています。遺伝的な体質に、ウイルス感染などの環境要因が加わって発症するのが1型糖尿病です。

「糖尿病治療の手びき(日本糖尿病学会)」によれば、両親が1型糖尿病の場合に子どもが1型糖尿病を発症する確率は3~5%、両親のどちらか一方が1型糖尿病の場合は発症する確率は1~2%となります。

2-1.2型糖尿病

2型糖尿病は、かつては成人型糖尿病と呼ばれていました。生活習慣が悪くて糖尿になる場合は、ほとんど2型糖尿病になります。糖尿病患者の実に95%前後の方がこの2型に分類されます。

糖尿病になりやすい遺伝要因をもつ人に、糖尿病になりやすい生活習慣を送るという環境要因が加わることで2型糖尿病を発症します。遺伝子上の塩基配列の違いによって、同様の生活習慣を送っていても、糖尿病になりやすい人とならない人がいることがわかっています。

「糖尿病治療の手びき」によれば、片親の場合、子どもの2型糖尿病発症率は約10%、両親ともに2型糖尿病である場合、3倍ほど高くなって約30%となります。ただし、2型糖尿病は生活習慣の改善によって予防が出来ることも分かっています。糖尿病になりやすい遺伝要因を持つ人でも、正しい食生活や生活リズムによって予防が可能です。

3.そもそも日本人は糖尿病になりやすい

糖尿病の遺伝によらず、日本人はそもそも『糖尿病になりやすい体質』を持っています。日本における2型糖尿病患者数は、過去40年間で30~50倍と著しく増加しているのに対し、欧米では5~10倍の増加に留まっていますが、その理由は何でしょうか。

日本人はもともと農耕民族で、基本的に肉食よりも穀類中心の低脂肪食の生活を続けてきました。そのため、それほどインスリン分泌の必要がなく、インスリン分泌が少ない遺伝的体質でした。

しかし戦後、食生活の欧米化が進み、高カロリー・高脂肪食を摂るようになり、肥満が増加しました。さらに自動車や公共交通機関の発達により、運動不足が加速。糖尿病が激増したのは、もともとインスリン分泌が少なめである日本人の体質では適応できないほど、食習慣や生活習慣が激変したためとされています。

4. 生活習慣の改善で糖尿病は防げる

親や祖父母に糖尿病者がいた場合、『糖尿病になりやすい体質』であるかもしれません。ですが、家族に糖尿病者がいなかったとしても、糖尿病にならないわけではありません。まずは運動、食事などの生活習慣を改善し、糖尿病対策をしていきましょう。

4-1.糖尿病予防のための生活習慣 運動編

糖尿病予防には、運動を生活の中に習慣化して取り入れることが大切です。これは、運動時に主に血中のグルコース(血糖)がエネルギー源としてつかわれること、そして糖尿病を引き起こす原因の1つである肥満の解消に繋がることが理由です。糖尿病は血糖値が高い状態が続く病気ですので、運動をすることでグルコースが消費され血糖値が下がります。またその結果、血糖値を下げるホルモン(インスリン)の必要量が減り、インスリンを分泌している膵臓(すい臓)の負担を軽減することもできます。

さらに、運動することによって中性脂肪を減らすこともできるため、運動を継続的に行うことは肥満の解消にも繋がります。糖尿病改善のための運動は長時間である必要はありません。歩行運動の場合の目安は、毎日(少なくとも週に3回以上)1回15~30分を1日2セット、合計で約1万歩(160kcal~240kcalの消費エネルギー)程度の運動量です。無理せず継続的に行うことが大切です。

継続できる運動を選ぶ

糖尿病の運動療法では、有酸素運動が勧められており、ウォーキング、ジョギング、サイクリング、水泳などが挙げられます。どんな運動をするかは「自分が長く続けられる運動」を基準に選ぶのが秘訣です。

汗ばむ程度の運動を行う

運動の強さは、少し汗ばむ程度で、人と会話できるくらいが望ましいとされています。疲れすぎず軽すぎない運動を行いましょう。

準備運動とクールダウンは必ず行う

急に運動をスタート・ストップすると、ケガのもとになります。運動の前後には、十分なストレッチや体操などを行うようにしましょう。

食後1時間〜2時間以内に行う

運動は血糖値が最も上昇する時間帯である食後1〜2時間以内に行うのがおすすめ。しかし、都合が合わない場合にはいつ行っても問題ありません。

4-2.糖尿病予防のための生活習慣 食事編

食事は糖尿病の予防において、運動と並んで大切です。食事は栄養バランスやカロリーを考慮してメニューを考えることがベストですが、なかなか難しいと思います。ここではそれ以外に知っておきたい食生活のポイントを3つご紹介します。

3食きちんと摂る

適正カロリーであっても、まとめ食いをすると血糖値の急激な上昇や肥満のリスクが高まります。血糖コントロールをきちんと行うためにも、1日3食をできるだけ毎日同じ時間に摂りましょう。

よく噛んで食べる

糖尿病で食生活を改善するには、ゆっくり食べる、よく噛んで食べる、ということも大切なポイントです。よく噛んでゆっくり食べると少量でも満腹感が得られますし、血糖値の上昇もゆるやかになります。

食べる順番に注意する

ダイエット法としてもよく言われることが、食べる順番を変えることです。炭水化物などの糖質(米、パン)から食べはじめるよりも、糖質が少なく食物繊維の豊富な食品(海藻類、野菜など)から食べはじめた方が血糖値の上昇を抑えられることがわかっています。

5.遺伝子検査で『病気になりやすい体質』を知る

遺伝子検査は、遺伝子の持つ情報を解析することで、生まれ持った病気のなりやすさや体質などを知ることができる検査です。「DNA検査」と呼ぶこともあります。遺伝子検査はこの10年近くでDNAの解析技術が急速に発展し、分析にかかる費用が下がると共に、短時間で行えるようになりました。また、血液ではなく唾液でも簡単に遺伝子を調べられることから、新しい病気の予防法として身近な検査となっています。

糖尿病についてはもちろん、様々な病気についても知ることができます。間違えないでほしいことは病気は、遺伝子と生活習慣の双方の影響で、発症の有無やその程度が決まると言われています。病気を未然に防ぐためには、検査で自分の「遺伝子型」を知って、遺伝的にかかりやすい病気の傾向を学び、病気にかからないために生活習慣の改善を行うことが重要です。

遺伝子を変えることはできませんが、遺伝子検査の結果でリスクが高いからといって、必ず発症するというわけではありません。一方で、遺伝子検査結果でリスクが低くても、環境要因によって発症する可能性が高くなる場合もあります。がんとタバコの関係は代表的なものです。大切なことは、どんな病気にかかりやすいのかを知り、日頃から適切な生活習慣を身につけ、病気にかかる可能性を下げることを目指すことです。

6.最後に

家族に糖尿病がいるからで発症することはありません。また、自分の子供に糖尿病が遺伝することもありません。ただし、糖尿病になりやすい体質である場合がありますので、運動と食事を含めた生活習慣にはより注意をしていきましょう。