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  • 2017/4/14

糖尿病の時は免疫低下に注意!免疫低下がさらに病気を引き起こす!

糖尿病

また風邪になった、最近風邪を引きやすい・・そんな風に思っている方、糖尿病の影響かもしれません。実は高血糖は免疫力の低下に大きく関係しています。免疫力が下がることで様々な病気にかかりやすくなり、風邪もそのひとつです。免疫力が低い状況を放置しておくと、さらに悪循環となってしまいます。そこで免疫について、また、免疫力を高めるためにすべきことをお伝えしていきます。

1. 免疫とは?

免疫とは端的にいうと「疫病(病気)を免れる」ことです。また、抗原=異物や自分の体の外から入ってきた細菌やウイルスなどを攻撃・殺傷・排除する働きを免疫力といいます。

免疫力(自然治癒力)がないかぎり、私たちは誰ひとりとしてこれからも生きていくことは出来ません。どんな小さな病であれ、免疫力がなければ自らそれを癒すことができず、死を免れることは出来ません。では免疫機能が細菌やウイルスを体のなかでどのように排除しているのか、免疫機能が作用するメカニズムを見ていきましょう。

1-1.免疫機能の低下による病気の発症

人間には、体内に細菌やウイルスなどが入ってきたときに、それを撃退する免疫システムがあります。その免疫システムの中心として働くのが白血球。白血球の中には「好中球(こうちゅうきゅう)」と呼ばれる成分があり、この好中球が体内に入ってきた細菌やウイルスを取り囲んで、食い殺してしまいます。

ところが糖尿病になると、つねに血糖値が高い状態が続きます。すると好中球の機能が低下して、細菌やウイルスを食い殺せなくなってしまいます。さらに、高血糖の状態では血液中の糖分が栄養となって、細菌やウイルスが活動しやすい体内環境になっています。そのため、病気や感染症が起こりやすくなるのです。

1-2.免疫反応の低下

病気になりやすくなる原因は、それだけではありません。人間の体は、一度侵入した病原体に対して抗体を作り、次に同じ病原体が侵入してきたときに素早く防御するようになっています。これを「免疫反応」と呼びますが、高血糖の状態では免疫反応も起こりにくくなってしまうのです。

また、高血糖状態の血液は粘度が高いため、体の末端の細い血管では血流が悪くなります。すると、細菌やウイルスに感染したとき、撃退するのに十分な量の白血球が、感染した部位まで行き届きにくくなってしまいます。さらに、酸素や栄養も体の隅々まで行き渡らなくなるため、細胞の働きも低下してしまい、ダメージからの回復がしにくくなります。

気づくのに遅れて進行することも

糖尿病によって神経障害が起こっている場合は、痛覚も鈍って痛みを感じにくくなっています。そのため、感染症の原因となるケガなどに気づくのが遅れて、その間に感染症が進行してしまうこともあります。細菌やウイルスに感染すると、インスリンの働きを阻害する物質が増え、血糖値がさらに上がることがあります。すると糖尿病も悪化して、感染症をさらに進行させてしまうという、悪循環に陥ってしまうのです。

2.免疫力低下により発生する病気

免疫力が下がることで、次のような病気を発症しやすくなります。

2-1.尿路感染症

尿路感染症は、細菌が尿道口から膀胱に侵入して起こります。女性は男性よりも尿道が短いため、女性のほうが尿路感染症にかかりやすくなっています。

細菌が膀胱の中にとどまっている状態なら「膀胱炎」。さらに感染が腎臓にまで広がると「腎盂炎」「腎盂腎炎」になります。膀胱炎になると、頻尿や残尿感、排尿痛、尿の濁りなどがみられ、腎盂炎や腎盂腎炎では、腰痛、発熱といった症状が出てきます。

2-2.上気道炎・肺炎

上気道炎とは、鼻や喉に雑菌が繁殖して起こるの炎症のことで、いわゆる風邪を指します。鼻や喉でとどまらず、雑菌が気管支まで達すると気管支炎、さらに奥の肺に達すると肺炎になります。

2-3.胆嚢炎(たんのうえん)

胆嚢炎(たんのうえん)は、胆石や細菌感染が原因で引き起こされる胆嚢の炎症です。糖尿病の方は、神経障害によって胆汁が滞りやすく、胆石症を抱えている人も多くみられます。そのため、胆嚢炎にもかかりやすくなっています。

2-4.皮膚感染症

水虫を引き起こす白癬菌、カンジダ症のカンジダ菌などが、全身に感染することがあります。場合によっては皮膚のただれから潰瘍へと進行し、患部が壊死してしまうことも。そこまで重症化しなくても、水虫が爪にまで広がって、治療の難しい爪水虫になることもあります。

2-5.歯肉炎

歯と歯茎の間の歯周ポケットと呼ばれる部分に雑菌が入り込み、炎症を起こした状態が歯肉炎です。重症化すると、歯根の部分に膿がたまり歯が自然と抜けてしまいます。さらに、細菌の出す毒素が血管に入り込むと、インスリンの働きを阻害して糖尿病を悪化させてしまうこともあります。

3. 免疫対策で最優先すべきは血糖コントロール

感染症を併発しないために糖尿病の場合には通常通りの免疫対策ではいけません。前述の通り、高血糖が免疫機能を阻害してしまい、いくら免疫機能を上げても効果が低くなってしまうためです。そのため、最優先すべきは血糖コントロールになります。

また、感染症にかかることで、血糖値を上げるホルモンが分泌され、血糖値が上昇します。健康な人なら同時にインスリンも多く分泌されて血糖値を保ちますが、糖尿病の方の多くはインスリンを追加で分泌することができないため、血糖値がより高くなってしまうのです。高血糖が感染症を引き起こし、感染症が糖尿病を悪化させる負の循環となってしまいます。

4.まとめ

様々な病気を引き起こす糖尿病。合併症が怖い糖尿病では免疫力の低下はより重い事態になってしまうことも。合併症を防ぐための食事や運動対策が必要な血糖コントロールは簡単ではありませんが、意識を変えて継続していくようにしましょう。