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  • 2017/3/26

糖尿病患者を自宅で看護!恐さを知り、看護の為の3つのポイント!

糖尿病

家族の誰かが病院から帰ってきたら、「重度の糖尿病らしい」「このまま放置していると合併症を引き起こすまで悪化している」「どうしよう・・・」などと告白されたあなた!今、頭が真っ白になり、不安の気持ちでいっぱいですよね!そもそも重度の糖尿病になると、話しでは聞くけど、「そうなったら、家族はどうなる?」「何かしら看護が始まるの」「命に係る合併症って何?」など聞きたいことは山のようにあるはずです。

ここでは、糖尿病患者の看護をするうえでのポイントを3つのカテゴリー(食事療法・運動療法・お薬療法)に分けて説明し、またその際の看護をする方のこころがけをお教えします。更には、大事な家族だからこそ、家族の手でケアして糖尿病の看護を前向きに考えていきます。是非、一読して見てください。今の不安を取り除き、今後にやらなければならないことがきっと見えてくるはずです。

 

1.自宅で行う!糖尿病看護の3つのポイント!

 家族が病院で糖尿病と診断されたら、まず何を注意すれば良いのでしょう。糖尿病の看護で大事な事は3つのカテゴリー毎にあります。3つとは食事療法・運動療法・お薬療法です。ここでは各カテゴリー別に看護で必要な基礎とポイントを学んでいきましょう。

1-1:食事療法のポイント

・食事療法でまず大事なのは、カロリーコントロールです。

食事療法は規則正しい食習慣、過食を避けて適正エネルギーの摂取、偏食せずに栄養バランスの良い食事をとることが基本になります。糖尿病だからといって何か特別な食事を食べなくてはならないものではありません。1日3食、規則正しく栄養バランスの良い食事を考えてあげてください。

その中で一つの指標があります。目安カロリーです。1日平均1.600キロカロリーほどとされています。一般的な成人の一日の摂取カロリーが1.800~2.200キロカロリー前後なので、それよりも抑えなくてはいけないことがわかります。とはいえ、上記の数字はあくまで平均値です。人によって体型も異なるわけですから、目安カロリーも人それぞれです。でも、適切な目安カロリーなんてわからないよ!なんて思った方の為に、

1:身長(m)×身長(m)×22(BMI)=標準体重

2:標準体重×生活強度1=1日の摂取カロリー

※1生活強度 サラリーマン・主婦など軽労働の人…30 ・動きの少ない高齢者…25・工事現場作業員など重労働者…40

これで、家族にあった摂取カロリーが分かります。まずは家族の状況を把握して、家族にあった食事制限を始めてみましょう。

・糖尿病患者さんに食事のストレスを与えない。

次に、食事療法のポイントは食事への欲求を無理に押さえ込まず、食事の内容を調整することです。 例えば、糖尿病患者さんがおかずを大好物のものに換えて欲しいと言い出したり、突然「お饅頭が食べたい、おせんべいが食べたい。」と言い出すこともしばしばあると思います。これは糖尿病患者さんの食事療法によるストレスであり、抑え付けると余計に欲しくなり、隠れて食べたりします。

そのような時には栄養を計算して、元のおかずと食べたいものの交換や、ごはんの量を2/3に減らして一食400~500Kcalに抑えるようにするなどの調整をしてみてください。毎日の食事を管理することによって、食べたいものはなるべく制限せずに、カロリーや塩分のバランスが取れるよう、おかずや主食の組み合わせや量を調整して、食事から満足感を得られるように配慮してみてください。

1-2:運動療法のポイント

・糖尿病は食事療法だけでは改善されない。

運動療法が大事なのは、糖尿病は食事療法だけでは改善されない。だからです。そもそも糖尿病は高血糖が主な原因です。その血糖値を下げる唯一のホルモンはインスリンです。インスリンはブトウ糖の代謝を高め、血糖値を下げます。しかし、肥満などの内臓脂肪が多い方の場合は、インスリンの効きが弱くなり、血糖値を下げにくくさせます。これが、インスリン抵抗性です。よって、内臓脂肪を減少させる運動療法が大事になります。

・糖尿病患者には有酸素運動がベスト。

運動には無酸素運動と有酸素運動あります。糖尿病患者には血糖値を下げるためにも、脂肪を燃焼するためにも効果的な有酸素運動をお勧めします。有酸素運動とは体の中に新鮮な空気をたくさん吸い込んだり、吐き出したりしながら行なう運動のことです。これには、ウォーキング、自転車、水泳といったものがあります。少なくとも、30分は続けてできるものが望ましいです。

因みに、比較的簡単に始められる、ウォーキングですと、その目安は

成人男性 9,200歩

成人女性 8,300歩

70歳以上男性 6,700歩

70歳以上女性 5,900歩

になります。是非、1週間に3回程度を行うようにしてみてください。

・運動療法を継続させる為にも、「楽しく」が合言葉。

運動療法を継続させるポイントは「楽しく」「1人ではなく」行うことです。そこでお勧めしたいのが、地域の運動サークルに積極的に参加することです。ウォーキングや山登り、ゲートボールや卓球など、調べてみると市役所や地域の体育館などで、パンフレットや募集のチラシがあります。サークルに参加することで、運動習慣が身に付くとともに、サークルを通じて運動仲間ができ、声を掛け合うことで長く運動を続けられます。

1-3:お薬療法のポイント

糖尿病の指導入院や、治療を始めのときにはしっかりできていても、少しずつ薬の管理や食事内容をがんばれなくなってしまう方は、残念ながら少なくありません。お薬療法を行う一番の理由として、「高血糖をコントロールし、合併症を予防する」というのがあります。

・「低血糖」には要注意です。

このお薬療法の裏にはいつも「低血糖」というリスクが伴います。薬やインスリン注射を使用して血糖を下げるため、食事の時間や量が適切でなかったり、インスリンの量を間違えてしまうと、場合によっては薬が効きすぎて低血糖となります。よって、管理が十分でない人に対しては「高血糖を是正する」という治療を優先してしまうと、かえって患者さんを危険にさらしてしまうリスクがあるのです。

・家族みんなでお薬療法は管理しましょう。

そこで、お薬療法のポイントとして「本当はインスリンを毎食前3回やったほうが高血糖を是正できるが、日中は家族がおらず、インスリンを打てないため、持続性のインスリンを1回にして、家族に確実に行ってもらうようにする」など、患者さんだけでなく家族全体で管理しながら、柔軟に対応するということ大事になります。糖尿病患者さんの管理能力を見極めながら、家族で管理していく。この柔軟性が大事になります。

2.糖尿病患者の看護は何を心がければ良いのか!

糖尿病の看護で、食事の管理、運動の目安、お薬療法で注意すべきポイントなど、知っておくべきことは理解していただけたと思います。看護者の対応によっては、糖尿病合併症を予防したり、患者の症状が悪化するのを防げます。看護者には糖尿病の治療について良く理解してもらうことは必要であり、看護者は、薬の飲み忘れを防いだり、血糖値測定のタイミングを教えたり、食事療法や運動療法への意欲を高め、励ますこともできます。また、低血糖のような緊急の対応が必要な事態も起こります。身近にいる家族が適切な対応策について知っていれば、効果的な対応が出来るようになります。では、まず何を心がけてすれば良いのでしょうか?

2-1:みんなでいっしょに運動を始めてみませんか!

運動療法は糖尿病の改善に有用です。あたなが糖尿病のある人を介護する立場にあるなら、いっしょに運動を始めてみてはいかがですか?どんな人でも継続的に運動を続けることには根気がいります。自己管理能力がいります。どうしても1人で続けることは楽しみも少なく、途中であきらめてしまう傾向があります。ダイエットが続かない経験は誰しもがしていると思います。だからこそ、糖尿病患者が楽しく続けられるように一緒に運動をする事で楽しみが芽生え、継続する事ができます。また、ご自身の健康の為にもお勧めします。

2-2:糖尿病の食事は特別な食事ではありません!

糖尿病の食事療法は、特別な食事ではありません。すべての人に勧められる健康食です。糖尿病患者のみ違うメニューを食べるのではなく、家族で同じ食事を共有し、疎外感をなくすようにしましょう。

2-3:こころの悩みに気をつけましょう!

看護者が手助けできないこともあります。糖尿病患者が様々な生活習慣の制限でストレスを感じ、悩みを抱えることもあります。この場合は専門家にアドバイスが必要です。悩みについてかかりつけの医師に相談し、どうすれば治療の障害を取り除けるか、相談してみてください。

2-4:いつもと様子が違うときは、やる事リストを明確に!

低血糖が起こったときに介助が必要なこともあります。お薬療法をしている患者様では、低血糖が起こることがあります。低血糖は、食べる時間が遅れたり、カロリーや炭水化物の量が少なかったり、いつもより運動を長く行ったときなどに起こる可能性があります。低血糖には、頭痛、動悸、目のかすみ、空腹感、疲労感など、患者が自覚できる徴候もありますが、患者が独力で対応ができない場合もあります。もっとも早く気づくのは近くにいる家族などの看護者です。 低血糖が起きた場合は、ブドウ糖やブドウ糖を含む清涼飲料を飲ませたり、意識が朦朧とした場合は応急処置では間に合わない場合もあります。その時は救急車を呼ぶなど、医療機関の助けが必要になるときがあります。

などが、糖尿病患者がいる家庭で心がけたいことです。大事なことは患者一人が疎外感を持つことがなく家族みんなで生活習慣を共有する事。家族が悩みを共有する姿勢です。難しいことは何もありません。是非、あなたの健康の為にも同じ生活をしてみてください。必ず、糖尿病の改善につながります。

3.糖尿病の合併症!その恐さをしっておこう!

3-1:糖尿病で怖いのは合併症です。

糖尿病と診断されて、うまく血糖値のコントロールがうまくできないと、いよいよ合併症が見え隠れしてきます。糖尿病の合併症には大きく分けて2種類があります。細小血管障害と大血管障害です。糖尿病の3大合併症として、細小血管障害の糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害が有名です。大血管障害では、動脈硬化症を基に発症し、非糖尿病患者の2~3倍とされ、女性の発症率が男性とほぼ同じであることも特徴です。

3-2:細小血管障害の合併症。

・糖尿病網膜症

網膜症を発症するリスクは糖尿病を永く患えば患うほど高くなり、20年を超えると80%の人が発症します。また、網膜症が重症化し、視力障害を来たす例は最近では年間4000人とされ、成人の中途失明の原因の第2位です。

・糖尿病腎症

糖尿病を患って、10年くらいを経て発症してきます。最終的には腎不全に陥り、血液の透析をしないと生きていけない状態になります。現在、年間3万6000人が新たに血液透析を必要になっていますが、糖尿病腎症がその原因の43.6%を占め、1998年以来原因疾患の第1位です。

・糖尿病神経障害

糖尿病を患って、5年~10年くらいを経て発症してきます。足や手などの比較的細い神経線維から始まる末梢神経障害と、心臓、血圧や胃腸の動きを司る自律神経障害があります。

末梢神経障害は足の指先の違和感、足底に紙が貼りついた感じ、足の正座したあとのようなしびれ、足のつりやこむら返りなどを訴えます。

自律神経障害は立った時に血圧が下がってふらついたり、食べても胃が動かずもたれたり、下痢や便秘が続いたりします。排尿がスムーズにいかなくなったり、残尿が増えたりする場合もあります。勃起ぼっき障害も自律神経障害の一種です。

このように細小血管障害の合併症は「失明」「人工透析」「足の壊疽」などの症状を引き起こし、生活に多大な影響を及ぼします。

3-3:大血管障害の合併症。

大血管障害の合併症で怖いのは命に係るというところです。糖尿病の患者さんの死亡原因は、がんに次いで、第2位が動脈硬化性疾患です。なかでも、最近では心疾患が最も多く、糖尿病患者の心筋梗塞の発症頻度は非糖尿病患者の3~4倍です。脳血管障害のうちでは、脳出血よりも脳梗塞が多くなっています。糖尿病患者の脳梗塞の頻度は非糖尿病患者の約2倍で、若年者に多いのが特徴です。

4.まとめ

家族が重度の糖尿病と診断され、合併症の可能性が出てきて、どのように家族をサポートすればよいのか分からないあなた、少しは不安が取り除けましたか!糖尿病の自宅での看護は決して難しいことではありません。痴呆症や寝たきりの看護のように、あなたの時間を束縛するものでもありません。大事なことは、家族みんなで同じ生活を共有し、糖尿病患者を1人にしないこと、疎外感を持たせないことです。また、家族みんなで生活習慣を管理し、無理せずに生活できるようにサポートするだけです。是非、一度、家族会議を開いてみんなで相談してみてください。必ず、無理せずに家族が幸せになる方法が見つかるはずです。