• 糖尿病
  • 2017/12/9

糖尿病の検査ではどのようなことをするの?その検査で分かる事とは?

糖尿病

 

1.糖尿病に関わる主な検査

糖尿病に関する主な検査項目をご紹介します。大きく分けて血糖値(血液中の糖の量)の検査、HbA1cの検査、尿検査、さらにグリコアルプミン、1.5AGがあります。

1-1.血糖値の検査

血糖値の検査では次の3つの方法があります。

空腹時血糖値

最後の食事から10時間の間隔を空けて調べた血糖値のことを言います。通常の健康診断などでは前日に食事を抜き、朝一番に血糖値を図ることが多いですが、この時調べているのが空腹時血糖になります。食事の影響を全く受けない血糖の値として検査されます。

随時血糖値

随時血糖値とは食事の時間とは無関係の血糖値を指します。ただし、血糖値は食事によって上がりますので随時血糖値で判断するためには食事からどれくらいの時間が経っているかが重要です。一般的な随時血糖では2時間後で計測されます。これは健康な人の場合、おおよそ2時間で血糖値は正常値に下がりますが、糖尿病の場合、血糖値が下がらず2時間~3時間でピークを迎えることにあります。

75gOGTT(ブドウ糖負荷試験)

空腹時にブドウ糖を75g摂取し、その後30分、1時間、2時間後の推移を調べます。これにより血糖値の推移を正確に把握することができます。初回からこの検査を実施することは少なく、糖尿病の疑いがある場合に再検査として75gOGTT実施されるケースが大半です。

1-2. HbA1c

過去1-2ヶ月の血糖値の平均を反映して上下するため、血糖コントロールの状態の目安となる検査です。血液検査によって知ることができます。平均の推移を調べる検査の中で、最も期間が長い検査値であるため、血糖値と並びよく使われる値です。

1-3.グリコアルプミン

グリコアルブミンは採血の1ヵ月間(特に直近の2週間前)前から採血時までの平均血糖状態がわかります。肝臓でつくられたアルブミンの一部は、血液中のブドウ糖とくっついてグリコアルブミンに なり、その量は血糖値が低ければ減少し、高ければ増加します。血糖コントロールの目安として実施される検査です。

1-4.1.5AG(1,5-アンヒドログルシトール)

1,5-AGでわかるのは、過去数日間の血糖の変動ですが、HbA1cやグリコアルブミンより敏感に高血糖に対し反応するという特徴があります。また、血糖値のように食事や運動には影響されないので、短期間のコントロールの悪化や治療後の結果もすぐにわかります。

1-5.尿検査

尿に含まれる糖を検査します。血液中の糖は、腎臓で血液から「ろか」される過程で水分とともに体に再吸収されますが、血糖が異常に増加して限界を超えると、尿糖が検出されます。尿検査では糖尿病以外にも肝臓、腎臓の状況など様々なことが分かりますが、尿中の糖により糖尿病の疑いを調べることができます。

2.各検査の目的の違い

上記で紹介した各検査はすべてを行うわけではなく、状況や目的に応じて医師の判断の下、いずれか、もしくは複数が実施されます。すべて血糖の状態を調べる検査ですが、その状態を示す期間に違いがあります。これらを用いて主に糖尿病の発見と血糖コントロールの状況を調べていきます。

糖尿病ネットワーク

2-1.糖尿病の発見

定期健診や健康診断を受けている方は多くいると思います。その結果は色々な数値で表示されていますが、どの値が糖尿病と判断されているかはご存知でしょうか。実は糖尿病であるかどうかは次の3つの数値によって判断されています。

  • 空腹時血糖値
  • 随時血糖値
  • HbA1c

健康診断の項目の多くは『血糖値』『HbA1c』だけだと思いますが、実際には血糖値は少し細かく分かれています。そのため、これらの数値を検査し、基準値と比べて少ないのか、高いのかを見ていきます。

逆に言えば、これらの数値以外には糖尿病が確定しません。例えば糖尿病になると吸収しきれなかった糖に尿糖が出るため、その値が+(陽性)で示されますが、これだけでは糖尿病が確定しません。疑いがある、ということでその後血糖値やHbA1cの検査を経て判断されます。

2-2.血糖コントロールの状況の把握

主に糖尿病発覚後に、血糖値がどのように推移しているかを調べる目的で検査を行う場合です。この目的では次のような理由により検査が変わります。

病気の症状により検査を変更

血糖コントロールを調べる各種の検査には、それぞれ得意不得意が異なります。そのため、病気の状態によっては正しい数値が出ないこともあります。

“例えばグリコアルブミン検査は、妊娠中や透析治療を受けているときには、他の検査よりも血糖コントロール状態により近い結果が得られるので、信頼性が高いと言えます。ところが、なにか別の病気でステロイド薬を使う治療を受けているときには、グリコアルブミン検査の結果は実際の血糖コントロール状態よりも低くなり、信頼性が下がります。”

糖尿病ネットワーク/血糖コントロールを調べる検査のいろいろ

調べたい期間で検査を変更

もし、血糖値のコントロールを薬によって行っていて、飲んでいる薬を変更した場合にはその効果測定が必要です。通常の血糖値測定やHbA1cでは期間が長すぎたり、短すぎたりします。そのため、それ以外の検査を用いて血糖コントロールの状況を調べます。

通院間隔で検査を変更

人によっては糖尿病の検査を毎月する人もいれば、3ヵ月に1度、長ければ1年に1度の人もいるでしょう。そのため、調べる期間が異なるのでより正確に調べるためには検査を変更する必要があります。

3糖尿病とする血糖値の基準値

検査を受けることで各数値を明らかにすることができますが、糖尿病の判断には明確な「血糖値」の数値基準があります。診断結果により糖尿病の疑いで要検査となる場合や、すでに糖尿病の方が目指す目安となるのが、この値です。その数値毎に下記の図にあるような赤の『糖尿病型』オレンジの『境界型』青の『正常型』の3つに分類されます。尚、ここで表示されている「食後血糖値」は「随時血糖値」と同義として捉えてください。

ここで表示されている『糖尿病型』とは空腹時血糖か食後血糖値のどちらも超えている場合ではなく、いずれかが超えている場合に判断されます。(検査においても一方のみを検査します)ただし、『糖尿病型』だからといって必ずしも糖尿病というわけではありません。

糖尿病が確定する条件

糖尿病であると診断されるまでには次のような条件があります。血糖値が『糖尿病型』であることに加え、①数週間~1ヵ月以内の検査において再び『糖尿病型』であった、②HbA1cが6.5以上であった、③以前に糖尿病であった、典型的な糖尿病の症状がある、もしくは明らかな糖尿病網膜症の兆候がある、ということが条件です。

表には見えづらい糖尿病を調べる75gOGTT(コラム)

みらいクリニック(福岡県)によると、40代女性、普通体型、空腹時血糖もHbA1cも基準値内にも関わらず、糖尿病の境界型という方が、紹介されています。一般的に言えば糖尿病とは無縁の状況です。ところが75gのブドウ糖を摂取後2時間で血糖値が160mg/dlという糖尿病一歩手前の状況でした。

これは耐糖能異常(血糖処理能力異常)であることに起因します。耐糖能異常とは、インスリンの分泌不足や作用不良などによって生じる血糖値の正常化作用が不良になった状態です。そのため、通常は血糖値が低くても、食後だけは血糖値が高い状態になり、境界型と判断されたのです。75gOGTTを実施する理由はここにあります。

みらいクリニック/まだ空腹時血糖で判断してんの?

4.糖尿病の検査の流れ

初めて糖尿病の疑いがあるとされ、糖尿病もしくは糖尿病ではない、と診断されるまでの詳細な流れを見ていきましょう。まずは初回の検査において、血糖値とHbA1cが次の基準以上の場合糖尿病型と判断されます。どの項目が糖尿病なのか?という点でスタートが異なります。

血糖値とHbA1cにおける糖尿病型

  • 空腹時血糖値       126mg/dl以上
  • 随時血糖値(食後血糖値) 200 mg/dl以上
  • HbA1c          6.5以上

日本糖尿病学会/糖尿病の臨床診断のフローチャート

5.血糖値検査の種類と費用

糖尿病かどうかを病院で調べる場合、一般的には健康診断や定期健診で知ることができます。血液検査込でおおよそ5000~1万円程度となります。この金額はあくまで目安になり、病院により異なりますので、詳細は電話などで確認した方が良いでしょう。検査は基本的に2~3時間程度で終わり、後日結果を受け取りか郵送で知ることができます。ちなみに健康管理の診断では保険適応外となります。

また、糖尿病の目安となる血糖値を測定するだけであれば、病院以外でも知ることができます。糖尿病ではないと思うけど、家系に糖尿病者がいるから不安、少し肥満気味だから、時間がなくて・・といった方は次のような方法で調べるのも一つの手です。

5-1.献血

献血をして希望をすれば血糖の状態を知ることができます。行われる検査はグリコアルブミン検査で、その基準値は16.5%未満とされています。ただし、標準値範囲内でも、15.6%以上の場合は注意が必要です。

“血液センターでは、献血にご協力いただいた方々への感謝の気持ちとして、7項目の生化学検査成績と8項目の血球計数検査成績についてお知らせしています。これらの検査成績はいずれも通知を希望された方を対象とし、献血後おおむね2週間程度で親展(書簡の郵便)にてお知らせします。”

日本赤十字/検査結果サービス

https://www.ibaraki.bc.jrc.or.jp/know/service.html

5-2.血糖値測定器

血糖値を調べるだけであれば、市販の自己測定器を購入することでも測定が可能です。血液を機械に当てることで、数秒~数十秒で血糖値を調べることができます。機械の本体はおおよそ5000円~で、血液を採取するための針は毎回交換して使用する必要があります。別途針代として30本2000円~3000円程度かかります。

5-3.尿糖検査

血糖値ではありませんが、自宅でできる尿糖の検査もおすすめです。尿糖は血糖値が160~180mg/dLを超えると尿に糖がでてくるといわれています。この尿糖検査のメリットは血糖値の自己検査と比べ、簡単かつ安価という点にあります。おおよその値にはなってしまいますが、自宅で簡単に調べることができます。通販や薬局などで購入でき、50回分1000円~3000円程度と非常に安価です。ただし、あくまで目安であるため、正確な数値を測るためには別の方法で血糖値を調べる必要があります。

6.まとめ

糖尿病の検査では症状に応じて様々な方法がとられますが、最も大事なことは定期的に受診をし、未然に大事を防ぐことにあります。糖尿病の疑いがあれば、糖尿病の発症を防ぐ、すでに糖尿病の方は基準値内に収める必要があります。そのためには自分の体の状態を知るためにも検査をするようにしていきましょう。