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  • 2018/10/16

ダイエットを応援!血糖、血圧を整えて骨もガッチリ!「食前おろし納豆」

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 納豆といえば、日本人にとって最もなじみのある発酵食品のひとつ。大豆本来の栄養素に加えて、納豆菌による発酵パワーによって健康効果もより高められています。さらに、この納豆の食べ方をアレンジすると、ダイエットのサポートや検査データの安定にますます強力な味方となるのです。

1.食前おろし納豆っていったい何?

市販の納豆に適量の大根おろしをかけてかき混ぜて、食事の前に1日1回食べるだけ。これが食前おろし納豆健康法です。この食事の前に食べるというのが大事なポイントで、よくかき混ぜて、よく噛むこともおすすめです。

大根おろしはもちろん、納豆を食べやすくする薬味の意味もありますが、消化酵素のジアスターゼやアミラーゼが豊富であるため、その後の食事の消化吸収を促してくれます。さらに、納豆とのコンビネーションで血管の若々しさ維持にも役立つのです。

2.食前おろし納豆の健康効果とは?

 食事の前に繊維質の多いものを食べるというのは、食べすぎを防ぐためのアイデアとして最近注目されています。そこで、ぜひ活用したいのが納豆なのです。単に満腹感が得られるだけでなく、納豆独自に含まれる酵素と納豆菌のほか、多彩な特有成分が協力し合って、うれしい健康効果をさまざまもたらしてくれます。 

2-1.ダイエットに役立つ

肥満の原因のひとつになるのが、早食いによってつい食べ過ぎてしまうこと。私たちの脳には満腹中枢と呼ばれる場所があり、そこに食事を噛むときの刺激が信号となって伝わることで、「もう十分に食べて満腹だ」と脳が認識するようになります。

しかし、食事をあまり噛まずにせっかちに食べると、満腹中枢に噛む信号が伝わる前にたくさんの量の食事を摂ることになり、結果的にカロリーオーバーとなって肥満につながるのです。実際に、太っている人の半数以上は早食いの傾向があるといわれています。

そこで、食事の前に納豆をよく噛んで食べると、脳の満腹中枢に事前に信号が伝えられることに。そうなれば、その後の食事はいつもより少なめでも満腹感をおぼえられて、カロリーカットが無理なくできるわけです。食前に食べるものとして納豆がすすめられる理由は、繊維質が多く食べ応えがあり、腹持ちがよいこと。ネバネバしているので流し込んで食べそうなイメージがありますが、丸ごとの大豆を食べるので、実は噛む回が増えやすいのです。

ちなみに、糖質の摂りすぎも肥満の一因として気になるところですが、納豆の糖質量は1パック・50g当たり2.3~2.7g程度。一般に低糖質食品の基準となる「100g当たりの糖質量が5g以下」を十分にクリアしています。

2-2.血糖値を安定させる

原料である大豆と比較して、粘り気を持つ納豆には水溶性食物繊維が1・5倍多く含まれています。水溶性食物繊維は食べたものの消化吸収を遅らせる作用があり、それによって食後血糖値の急上昇が抑えられます。

さらに、血糖安定の有用成分と判明しているのが、納豆に豊富な大豆タンパクに含まれる水溶性ペプチド。食後に血液中にあふれた糖は、インスリンというホルモンの働きによって、筋肉や内臓の細胞に運ばれてエネルギー源として消費されます。納豆の水溶性ペプチドは、細胞にある糖の受け取り口であるレセプターを増やしたり、活性化させる作用があるのです。

こうして細胞がスムーズに糖を受け取るようになれば、血糖値もおのずから正常レベルに整えられていくわけです。

2-3.血圧を安定させる

血圧を高める引き金となるのが、血管内にできる血栓という血液の塊です。血栓は血管の傷の修復時に作られるフタのようなものですが、役目が済んだ血栓を除去する力が年齢とともに弱まって、血管内に居残ってしまうのです。こうして血栓が増えると血液の流れがところどころで阻害されて、必然的に血圧が高まっていきます。

この血栓の除去に役立つのが、納豆ならではの粘り気に含まれているナットウキナーゼです。タンパク質分解酵素であるナットウキナーゼは、血栓を直接的に溶かすとともに、体内にもともとある血栓溶解酵素を増やしたり、活性化させる作用が報告されています。その結果、血栓が効率的に除去されれば、血液のスムーズな流れが回復し、それによって血圧が正常に整えられていくのです。

 

2-4.コレステロールを安定させる

納豆には原料である大豆の栄養素も含まれており、特に血中脂質であるコレステロールや中性脂肪の安定にはサポニンとレシチンが働いてくれます。サポニンの「サポ」とは、泡立つものという意味。そのイメージどおりに、石鹸の泡のように血管に壁にへばりつくコレステロールを洗い流してくれます

レシチンには水と油を混ぜ合わせる乳化作用があり、それによって血液中の中性脂肪を溶解させるほか、肝臓の脂質代謝をアップさせて、脂肪のためすぎを防ぐ効能も注目されています。

2-5.血管を若々しく保つ

納豆から摂取できるすぐれた健康成分として、現在脚光を集めているのが、アミノ酸から合成されるポリアミンです。ポリアミンの作用で確認されているのが、血管の炎症を引き起こす物質を抑制すること。それによって、血管の老化である動脈硬化を防ぐ効用が期待されているのです。

なお、食前おろし納豆の材料になる大根には、ビタミンCが含まれています。ビタミンCには血管のサビつき招く活性酸素を消去する力があり、納豆のポリミアンとの相乗パワーで、動脈硬化の防止に貢献してくれます。

2-6.丈夫な骨を作る

年齢を重ねても自分の足でテクテク歩き、日常動作をスムーズにこなすためには、骨の強度を保っておくことが一番大事。そのために頼りになるのが、納豆に含まれているビタミンKです。ビタミンKの役割は、骨を形作っているカルシウムとタンパク質の結合を助けて、丈夫な骨の形成を高めること。

さらに、骨からカルシウムが出て減少することを抑える作用もあり、体をしっかり支える骨づくりに不可欠な栄養素なのです。

2-7.腸内環境を整える

納豆特有の粘り気と匂いを生み出す納豆菌も、体にとってうれしい効能をもたらします。胃酸に耐性があって、死滅することなく胃から腸に届くことが納豆菌のすぐれた性質。そこでさらに発酵することで、腸内環境を酸性に整えるのです。腸内環境が酸性になると乳酸菌などの善玉菌が繁殖しやすくなり、逆に悪玉菌の繁殖が抑えられます。また、納豆菌自身が善玉菌としても働くようになります。

こうして善玉菌の勢力が拡大すれば、腸内で発生する有害物質が抑えられて、便通もスムーズに整えられていくのです。腸内環境を整える発酵食品というとヨーグルトがまず思い浮かびますが、納豆の整腸作用にもぜひ着目したいものです。

 3.食前おろし納豆の作り方と食べ方

市販の納豆と大根を適量用意すれば、ササッとできる食前おろし納豆。納豆1パック分を夕食前に食べることがおすすめです。

3-1.食前おろし納豆の作り方

・納豆1パックを器に入れて、糸が泡状になるまでよくかき混ぜる(100回程度かき回すと、納豆のアミノ酸が1・5倍、甘み成分が2・3倍に増えるといわれている)

・大根おろしを納豆に乗せる。量は好みだが、厚さ1・5cm程度、直径6cm程度の輪切りの大根をおろしてたっぷり乗せるのがおすすめ。

3-2.食前おろし納豆の食べ方

ふだんの食事の20分ほど前に、おろし納豆をよく噛んで食べることが基本です。噛む回数は厳密に決まっていませんが、一般的には食事はひと口30回を目安に噛むことがすすめられています。食前おろし納豆は、1日1回食べれば健康効果は十分に得られますし、3食のうちいつ食べてもかまいません。食べやすいのは、食事の時間が余裕を持って取れる夕食でしょう。

なお、納豆に含まれるナットウキナーゼが血栓を溶かす作用は、8~12時間持続するといわれています。そのため、納豆を夕食に食べると、寝ている間にできやすい血栓を防ぐことにもつながるでしょう。

★ワンポイントアドバイス

・納豆の味つけは好みで、添付のタレを使うか、しょう油やめんつゆをかけてもよい。ただし、血圧が気になる人は減塩しょう油などを用いること

・大根おろしのビタミンCや酵素を余さず摂るには、器に残った汁も飲むよい。

★ワンポイントアドバイス

・納豆の味つけは好みで、添付のタレを使うか、しょう油やめんつゆをかけてもよい。ただし、血圧が気になる人は減塩しょう油などを用いること

・大根おろしのビタミンCや酵素を余さず摂るには、器に残った汁も飲むよい。

 

 4.納豆の選び方でさらに効能アップ

食前おろし納豆で用いる納豆は好みで選んでよいのですが、噛む回数を増やすことを考えると、ひきわり納豆や小粒納豆ではもの足りなくなります。中粒・大粒納豆にすると、ひとくちで多く噛むことになり、食べ終わるまで4~5分はかかります。当然、満腹感もほどよくあって、その後の食事での食べ過ぎ防止により役立つでしょう。お値段は少々高くなりますが、黒豆納豆を用いることもよいアイデアです。

黒豆の皮に含まれる黒い色素のアントシアニンには、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの効き目を高めて、血糖安定を促す作用があることが報告されています。また、アントシアニンは血管のサビつきを防ぐ抗酸化作用を発揮することから、動脈硬化の防止にも期待されている成分です。

 5.まとめ

近所のスーパーやコンビニなどですぐに買える納豆は、メインのおかずにはならないながらも、すぐれた健康効果を秘めた優秀食材。食前に食べるというひと工夫をするだけで、肥満や血糖・血圧対策の心強い味方となってくれます。年間を通して安価に実践できるという点でも、ぜひおすすめの健康法です。

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