グラニュー糖と砂糖の違い、ご存知ですか?なんとなくグラニュー糖といばコーヒーに入れるイメージがあるかもしれません。もし、砂糖が切れてしまっていてグラニュー糖しかなかったら使えるの?使えても味はどう変わるのか知りたいですね。できるならその量なども気になるところ。今回はそんなグラニュー糖と砂糖の違いをご紹介していきます。
目次
1.グラニュー糖と砂糖の違い
砂糖とグラニュー糖ではどのような違いがあるのか、まずはそれぞれについてみていきましょう。
1-1. グラニュー糖とは?砂糖とは?
グラニュー糖
甘みの成分であるショ糖の純度が高い甘味料の一種で、粒がさらさらしているのが特徴です。世界においては砂糖といえばグラニュー糖を指す国がほとんどです。
砂糖(上白糖)
ショ糖を主成分として、水分と転化糖と言われるブドウ糖と果糖の混合物を含んだ甘味料です。日本においては、いわゆる普通の「砂糖」もしくは「白砂糖」のことを言います。水分を含むため、ややしっとりしたものになっています。この記事においても砂糖=上白糖として書いています。
1-2.グラニュー糖と砂糖の違い
もう少し細かくその違いについて、見ていきましょう。おおまかな表でその違いを表してみました。
グラニュー糖と砂糖の違い |
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グラニュー糖 |
砂糖(上白糖) |
①甘さ |
スッキリとしてクセがない |
甘みが強くコクがある |
②溶けやすさ |
溶けやすい |
やや溶けやすい |
③焦げやすさ |
やや焦げやすい |
焦げやすい |
④粒の大きさ |
やや小さい |
小さい |
⑤水分 |
ほぼない |
やや多い |
⑥カロリー(100g当たり) |
386.9 kcal |
384.1 kcal |
⑦糖質(100g当たり) |
100g |
100g |
⑧主な用途 |
料理 |
飲み物 |
参考:独立行政法人農畜産業振興機構/お砂糖豆知識
①甘さ
グラニュー糖は「ショ糖」という甘みの成分の純度が99.9%と非常に高く不要物が少ないため、スッキリとした甘さが特徴です。対して砂糖は97.8%の「ショ糖」に、「ショ糖」よりさらに甘い成分転化糖を配合するため、砂糖はグラニュー糖よりも強い甘みとコクが出ます。
②溶けやすさ
砂糖に比べ、グラニュー糖の方が溶けやすく、また、さらさらの粒のためダマになりにくい構造になっています。ですので、混ざりにくいプレーンヨーグルトなどにはグラニュー糖がより溶けやすい形に変えられて使われます。ですが、グラニュー糖そのままでは砂糖に比べて粒が大きいので、水に溶かした時には若干砂糖のほうが溶けやすくなっています。
③焦げやすさ
砂糖はグラニュー糖よりも焦げやすいのが特徴です。その理由は砂糖に含まれる転化糖がメイラード反応と呼ばれる焦げの作用を起こしやすくすることにあります。この反応を利用して焦げが必要な料理に使われたりもします。
④粒の大きさ
グラニュー糖の粒径が0.25~0.55ミリメートルに対し、砂糖は粒径0.1~0.2ミリメートルと約2.5倍程グラニュー糖のほうが粒が大きくなっています。そのため、溶けやすさなどに違いがでてきます。
⑤水分
グラニュー糖はほぼショ糖でできていて、含まれる水分はほとんどゼロ(0.01~0.02%)に近い値です。対して砂糖の水分は0.8%と比較的多く含まれます。砂糖を放置しておくとカチカチに固まってしまう理由はこの水分量が飛んでしまうことにあります。
⑥カロリー(100g当たり)
カロリーは100g当たりどちらも同じくらいで、380g強になっています。やはり砂糖となると非常に高カロリーですね、これは牛丼400g一杯分と同じくらいのカロリーに当たります。
⑦糖質(100g当たり)
グラニュー糖、砂糖共に『砂糖のg数=糖質のg数』になっています。
⑧主な用途
上記のような特徴から水に溶けやすく、ダマにならない、素材の味の邪魔をしにくいグラニュー糖は飲み物と相性が良いとされています。また、味にクセがあり、より強い甘みを持つ砂糖はコクが必要な料理との相性が良いでしょう。
3.グラニュー糖⇔砂糖の代用はできる?
もし、グラニュー糖と砂糖、どちらかが切れてしまったりした場合には、違いがある二つの糖は代用ができるのでしょうか?
3-1.代用しても問題なし!
それぞれの糖は代用しても問題ありません。両方とも主成分の95%以上が同じショ糖だからですね。中身としてはほぼ同じでなんです。
3-2. グラニュー糖⇔砂糖の代用をする時の量は?
グラニュー糖と砂糖をそれぞれ代用することが問題ないのであれば、どの位入れてもいいのか気になりますね。グラニュー糖を砂糖に置き換えたい場合、砂糖をグラニュー糖に置き換えたい場合、その分量は同じで良いのでしょうか?実は水分量に違いがあるため、同じ容量でもg数が異なります。
グラニュー糖・・大さじ1杯当たり13g
砂糖・・・・・・大さじ1杯当たり9g
同じ大さじにすると1杯で4gの差があります。ですので、代用するときは
グラニュー糖の代わりに砂糖・・・約0.7倍のg数
砂糖の代わりにグラニュー糖・・・約1.4倍のg数
となります。ただし、甘さの点ではグラニュー糖のほうがスッキリしているので、同じ甘さとして砂糖の代用をする場合には上記の倍率よりも気持ち大目のほうがよさそうです。逆にグラニュー糖の代用なら少し少なめが良いですね。
4.グラニュー糖と砂糖の使い分け
グラニュー糖は飲み物に、砂糖は食べ物と相性が良く、それぞれ代用も問題ない、とご紹介しましたが、中には料理によってはグラニュー糖を使った方が良い場合や、できれば代用しないような場合もあります。特に甘さを多く必要とするお菓子は違いが出やすいので、使いわけたほうがおいしい出来上がりになります。
4-1.グラニュー糖がおすすめな場合
他の素材の味を生かしたい料理
グラニュー糖は砂糖に比べてスッキリとした甘さですので、他の素材の邪魔をしません。そのため、市販品でもチョコレートやキャンディーなどに使われる場合が多くあります。他の素材の味を生かしたいときにはグラニュー糖を使いましょう。
水分を必要としない料理
メレンゲや口当たりがさっぱりしたものはグラニュー糖が良いでしょう。砂糖は水分を多く含むので、ほとんど含まないグラニュー糖のほうがパリっとした仕上がりにすることができます。
キャラメル化が必要なもの
べっこうあめには独特の甘い風味があります。また、プリンなどにはキャラメルソースをかけるとおいしいですね。このようなものにはグラニュー糖で作ることがオススメです。糖を熱することでキャラメル化という作用が起こりますが、砂糖と比べグラニュー糖のほうが焦がさずにキャラメル化させやすくすることができます。
4-2.砂糖がおすすめな場合
水分が必要なしっとりした料理
ケーキのスポンジやカステラはふわふわしている方がよいですね。こういったしっとりとした仕上がりには砂糖が向いています。砂糖に含まれる転化糖には水分を吸って保持する作用があるので、砂糖を使うとしっとりとした仕上がりになります。
焼き菓子・焼き色をつけたい料理
プリンやクッキーなど焼き色をつけたい料理には砂糖が向いています。グラニュー糖に比べて砂糖は焦げを起こすメイラード反応と呼ばれる作用が起こりやすいからなんですね。
コクのある甘みを出したい料理
煮物に甘みをつけるのは砂糖のほうがコクが出て、味に深みが増します。グラニュー糖でも甘みは出せますが、コクという部分ではやや物足りなさを感じるかもしれません。
5.まとめ
グラニュー糖と砂糖での様々な違いを説明してきましたが、料理に使用する場合、大さじ1-2杯程度ではおそらく違いがなかなか分からないかもしれません。ほとんど中身は同じものですからね。大きく違いが出るのは砂糖を多量に使用するお菓子を作る場合です。しっかりとそれぞれの特性を理解して使い分けることができるようになり、おいしい料理が作れるようになりましょう!
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