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  • 2017/10/27

血中には中性脂肪はどれくらいの時間残るの?検査前にできる事まとめ

中性脂肪

検査で中性脂肪が高い・・それは病気の前触れで、放っておけば病気になることはすでにご存知かと思います。それでも中性脂肪を下げることは大変ですよね。いつも高い数値をせめて今年は少しでも下げたい、そんな思いを遂げるため、検査前に気をつけるべき中性脂肪が下がる時間と、その下げ方について詳しく見ていきたいと思います。

1.血中になぜ中性脂肪があふれるのか

食事により体内に取り込まれた中性脂肪は、十二指腸から分泌される脂肪分解酵素(リパーゼ)の働きによって、脂肪酸とグリセリンに分解されます。分解された脂肪酸とグリセリンは小腸に吸収され、小腸壁でまた中性脂肪に合成されます。そして血液に乗って全身の脂肪組織へと運ばれ、皮下脂肪や内臓脂肪として蓄積されます。

体内に蓄積された中性脂肪は、エネルギーが不足するとまたグリセリンと脂肪酸に分解され、遊離脂肪酸として必要とする部位に送られます。この時、過剰に生成され余ってしまった遊離脂肪酸は肝臓へ送られ、また中性脂肪へと再合成されます。そして肝臓で再合成された中性脂肪はまた皮下脂肪や内臓脂肪として蓄えられ、あとは消費されるか、再合成されるかの繰り返しとなります。

しかし、肝機能の悪化や過食などにより、血中に中性脂肪が残ってしまいます。その結果、血中に中性脂肪があふれてしますのです。

2.血中は中性脂肪はどれくらいの時間残る?

健康診断の前に注意されることは『前日の午後9時以降は何も食べないでください』ということですね。翌日の検査が始まるのが早い場合、午前8時半や9時ですのでおおよそ12時間の経過です。

これは直前の食事による影響が12時間で落ち着くということにあります。血中の中性脂肪についても同じことが言えます。では血中で中性脂肪がどのように推移するのかを見ていきます。

2-1.血中の中性脂肪は2時間をピークに下がり始める

次の画像を見てください。こちらは健康な人が脂肪摂取後の血中の中性脂肪レベルの推移を表したものです。

  

エムジーファーマ株式会社/ 食事による脂肪の蓄積

http://www.globinpeptide.com/peptide/peptide_koka.html

脂肪25g摂取の白丸(◯)の場合には2時間後をピークに約6時間で元の値まで下がっています。それに対し、脂肪40g摂取の黒丸(●)の場合にもやはり2時間後をピークに下がり始めます。ここで特筆することは摂取する脂肪量増えてもピークは同じ2時間ですが、摂取量に応じて下がりきる時間に差があることです。

白丸(◯)は6時間でほぼ下がりきったのに対し、黒丸(●)は6時間後ではまだ元の推移までは下がりきっていません。つまり、脂肪の摂取量が増えれば、下がりきる時間は遅くなります。これは量に比例するだけでなく、年齢による消化の衰えや厚いステーキを噛まないことなどによっても遅くなることもあります。

2-2.食事によって血中の中性脂肪は蓄積と降下を繰り返す

次の図は1日3食の平均的な食事(脂肪20g)を摂った場合の血中の中性脂肪の推移を表したものです。

エムジーファーマ株式会社/ 食事による脂肪の蓄積

http://www.globinpeptide.com/peptide/peptide_koka.html

食事を取るたびに中性脂肪が増加し、下がりきる前に中性脂肪が摂取され、また増加していることがわかります。1日においては3食目の2時間後をピークにして、約12時間でおおよそ元の値に戻ります。

ちなみにこの下がる際(多くは睡眠中)に中性脂肪が体脂肪として変換されます。黄色の部分がその量を示しています。

2-3.量が多くても血中の中性脂肪が下がりきる時間は約12時間

1-2では1食当たりの脂肪は20gで、約12時間で下がり切りましたが、摂取する脂肪量が更に増えるとどうなるのでしょうか。次の図は1食当たりの脂肪摂取を40gにしたものです。

エムジーファーマ株式会社/ 食事による脂肪の蓄積

http://www.globinpeptide.com/peptide/peptide_koka.html

20gの場合と同じように夕食2時間後をピークに下がり始めますが、下がりきる時間は40gも20gも同様に約12時間後です。急激に血中の中性脂肪が増加した場合、下がり方も大きくなり、やはり約12時間で元のレベルに戻っています。

3.中性脂肪が上がる理由

12時間で中性脂肪が下がる、と前述しました。ではなぜ下がったはずの中性脂肪が検査などでは値が高くなってしまうのでしょうか。それは慢性的に血中に中性脂肪が多い状態が続くことで、ベースが高くなってしまっていることにあります。中性脂肪が上がる事には次のような理由があります。

3-1.過食

食べ過ぎれば太る、中性脂肪も増えるというのは当然ですね。そのメカニズムは知らない方も多いかもしれませんので少し深掘りしてみます。

食事から炭水化物を取ると血液中の糖分量が急激に増加します。するとすい臓からインスリンと呼ばれる消化ホルモンが分泌され、血糖値が下がります。このインスリンこそが、『太るホルモン』といわれ中性脂肪を上げる原因となります。

実はインスリンは肝臓が中性脂肪を合成するのを助ける役割も担っています。通常、肝臓で合成された中性脂肪は、血中から全身へと運ばれるために遊離脂肪酸へと分解されます。しかし、過食などにより血糖値が急激に上がることでインスリンが大量に分泌されます。それらのインスリンにより、肝臓で合成される中性脂肪の量が増えると、分解機能が間に合わなくなってしまいます。結果として中性脂肪が体内に蓄積される、増加するようになるのです。

3-2.運動不足

中性脂肪はエネルギーとしての役割を担っています。体内のエネルギーが不足した場合、中性脂肪が分解され、各器官へと運ばれるようになりますが、運動不足ではたまる一方となってしまいます。また、筋力が低下することで体の新陳代謝が低下します。すると内臓の働きが低下し、中性脂肪の分解に悪影響を与えるなどの弊害を招きます。

3-3.アルコールの過剰摂取

アルコールを過剰摂取することで、脂肪の分解が抑制され、中性脂肪の原料になる脂肪酸が増加します。すると脂肪酸により中性脂肪が合成され、肝臓に溜まります。これらの中性脂肪は血液中へ放出され、結果中性脂肪値が増加します。また、アルコールの過剰摂取は、血液での運搬力も滞らせること下げるため、中性脂肪を増加させる原因となります。

3-4.遺伝

遺伝によって中性脂肪が増加しやすくなるケースがあります。血液中の中性脂肪が正常ではない、脂質異常症の方は500名に1名程度といわれています。そのうち、遺伝の形式がはっきりしているものを「家族性高コレステロール血症」や「家族性高脂血症」と呼ばれています。

これらには中性脂肪だけが高くなるもの、コレステロール値だけが高くなるもの、両方が高くなるものなどがあります。コレステロールも中性脂肪とも関連が深いため、中性脂肪の増加に関係してきます。

3-5.喫煙

喫煙することで中性脂肪が増加します。その理由は大きく2つあります。1つ目は喫煙により内臓脂肪を増やすコルチゾールという物質が増加するということです。2つ目は、男性は男性ホルモンが、女性は女性ホルモンが減少することにより、内臓脂肪が蓄積されやすくなります。

3-6.ストレス

ストレスも中性脂肪が増える原因のひとつです。ストレスがかかると、自律神経の中の交感神経が活発に活動します。交感神経だけが活発に動くため、バランスが崩れ、副腎皮質ホルモンというホルモンが分泌されます。

この副腎皮質ホルモンが分泌されている状態が続くと、血液中の遊離脂肪酸が増加します。遊離脂肪酸は肝臓で中性脂肪やコレステロールに変わってしまいます。そのため、ストレスがかかると中性脂肪が比較的上がりやすくなってしまうのです。

4.検査直前で血中中性脂肪値を下げるためにできること

中性脂肪を下げるためには日頃からの食生活や肥満を解消することが重要です。しかし、検査がある直前でもできる対策がありますので、少しでも数値を下げたい方のために、次にご紹介する方法を実践してみてください。

4-1.食事は前日午後9時直前にはしない

血中の中性脂肪が下がり切るのは約12時間と記載しましたが、必ずしも12時間で下がりきる、というわけではありません。前述の通り、年齢による消化力を衰え、食事内容、体の器官の不調などにより12時間以上かかってしまうこともあるかもしれません。そのために、食事は前日の午後9時直前ではなく、午後6時~7時など少し余裕を持って食事を取るようにしましょう。

4-2.アルコールは厳禁

アルコールは直接中性脂肪を上げる要因になるため、前日の摂取は厳禁です。中性脂肪の分解は肝臓で行われますが、アルコールを飲むことにより、肝臓はアルコールの分解を優先されてしまいます。中性脂肪が急激に増加している場合、その原因の多くは直前のアルコール摂取が関係しています。

4-3.前日の食事は脂質の多いものは控える

脂質を摂ることで、直接的に血中の中性脂肪は上昇します。そのため、前日は特に注意し、脂質が少ない食事や食材を選ぶようにしましょう。次にご紹介するものはなるべく控えるようにしてください。

  • 揚げ物・・・揚げ物は油で揚げているため、摂取することで中性脂肪は上昇しやすくなります。
  • マヨネーズ・・・マヨネーズは卵と油を混ぜたものですので、いつもかけていても前日だけは我慢しましょう。
  • 牛肉・豚肉・・脂身の多い牛肉、豚肉はできるだけ避けるようにしましょう。もし肉を食べるのであれば、鶏肉がおすすめです。特にササミは最も脂身が少なく、食べても影響は小さいでしょう。

4-4.野菜を食べるようにする

野菜には脂質の吸収を抑える効果があります。野菜に含まれる食物繊維が中性脂肪だけでなく糖の吸収を抑えるため、『食事のはじめ』にしっかり食べることが望ましい食べ方です。また、野菜によって満腹感も満たされるため、量の制限にもつながります。

4-5.食前食後には水を控える

食前と食後には水をなるべく飲まないようにしましょう。消化は基本的に、胃酸で行います。そのため、胃酸が濃ければ濃いほど消化は早くできます。ですが、食事中に水分を摂取すると、胃酸が薄くなります。その結果、消化に時間がかかり、中性脂肪の値にも影響が出てしまうかもしれません。

4-6. よく噛んでゆっくり食べることを意識する

よく噛むことで、唾液の分泌がよくなり、消化を助けます。また、ゆっくり食べることで満腹感を感じやすくなり、やはり食事量の制限につながります。

5.まとめ

誰でも健康でいたい、ところが年齢とともに体のあちこちで問題が出てくるかもしれません。もちろん、健康診断を受けるとなれば、できるだけ低い数値であってほしいですね。まずは前日にできることを行って、数値が上がらないように心がけましょう。その後は気持ちを入れ替えてメタボな方はダイエットや食生活の改善などを取り入れて、中性脂肪を下げるようにしてくださいね!