• 中性脂肪
  • 2017/11/28

お腹周りを気にし始める30代の人への中性脂肪の基礎

中性脂肪

30代に入り、急に太りやすくなったと実感している人は多いと思います。斯言う私もその一人です。一つの要因として中性脂肪の上昇が考えられます。

中性脂肪は貯め込み過ぎると動脈硬化や脂肪肝などの病気につながる可能性があります。また中性脂肪は生命維持活動に必要な物であるため低すぎることも問題です。そのため中性脂肪を極力適正な値にしておく必要があります。ちなみに中性脂肪の適正値は30~149mg/L程度と言われています。

一般的に30代から中性脂肪値は上昇していく傾向にありますが、なぜ30代に入り急にそのような症状が出るのでしょうか?その原因と対策は?ここではそんな疑問に対し解説していきます。

1.30代の中性脂肪が上がる原因

30代で中性脂肪が上がってしまい、数値を下げたいと思っている人も、中性脂肪が上げる原因を把握しておけば対策も立てられます。

30代から中性脂肪が上がってしまう原因はいくつか考えられます。順を追って解説していきます。

1-1.基礎代謝

私たちの身体は20代までが成長期といわれています。それ以降からは徐々に下がっていきます。代謝が落ちるということは、それだけ体内に中性脂肪が残りやすくなっています。若いころと同じ活動で、同じ量の中性脂肪は消費できません。そして30代ではおそらくそのような意識は低いのではないでしょうか。20代のころと同じ生活を続けていることで、中性脂肪値が上昇したのかもしれません。

後述しますが、同体重(仮に体重70kg同士としておく)の20代と30代の1日あたりの基礎代謝量は119kcalの差があります。これは8枚入り食パン1枚分のカロリーです。これが1ヶ月続けば3570kcalが消費されずに蓄積します。20代のころよりも1日119kcalを余分に消費しなければ中性脂肪値は上がると予測されます。

1-2.生活習慣

30代でも、続けている中性脂肪値が上がってしまう悪しき生活習慣は次の3つが考えられます。

1-2-1.食生活

①遅い夕飯時間

30代では仕事量も増え、仕事が終わるのはいつも夜遅い時間になっていまい、夕飯もそれに伴い遅くなってしまうこともありがちだと思います。しかしエネルギーの消費に関係する副腎皮質ホルモンは朝が一番活発で、夜になるにつれてどんどん少なくなっていきます。そのため、夜遅くに食べる習慣は、中性脂肪に変わりやすくなるとされています。

②炭水化物の過剰摂取

炭水化物と炭水化物をあわせて食べる。ラーメンとチャーハンの組み合わせなどです。仕事帰りに、ついやってしまいがちな組み合わせですが、このような食べ合わせは糖質を過剰に含んでいます。糖質の過剰摂取は、インスリンの過剰分泌に繋がります。インスリンは糖質から脂肪を合成するホルモンであるため、過剰に分泌されれば当然脂肪も多く合成蓄積することになります。

1-2-2.飲酒量が多い

30代は会社の仲間や取引先の方々との付き合いも増え、夜の会食などが多くなっている年代ではないでしょうか。付き合いは当然大事なことですが、その際の過度なアルコール摂取には気をつけましょう。

そもそもアルコールは肝臓で水と二酸化炭素に分解されますが、過度なアルコールの摂取は肝臓での脂肪酸の分解を後回しとし、アルコールの分解を優先します。中性脂肪は脂肪酸から合成されるため、一見すると中性脂肪の上昇には繋がらないと思われます。

しかし、肝臓に分解されなかった脂肪酸が溜まると、中性脂肪の合成を促進する酵素の働きが活発化されます。このようにして増えた中性脂肪は血中に放出され中性脂肪値を上昇させ、肝臓にも蓄積されます。

1-2-3.運動不足

運動不足は多くの人が痛感していることではないでしょうか。特に30代においては、仕事での昇進や転職活動などで忙しい日々が続いたり、結婚や子供が生まれたなどで環境が変化し運動する機会も激減し、結果、中性脂肪値の上昇に繋がった人も多いのではないでしょうか。

1-3.睡眠不足

30代ともなると会社での立場もあがり重要な仕事が回ってくることも多く、責任あるポジションに就き始める年代です。しかしそれに伴い、仕事に追われる時間も増え、気付けば深夜2時、3時となり睡眠不足に陥ってしまう人も増えてきていると言われています。

しかし最近の研究で睡眠と中性脂肪の関係が明らかになってきています。その関係性には成長ホルモンが大きく関わっています。

成長ホルモンの作用として脂肪分解作用があります。この成長ホルモンの分泌は入眠後2~3時間の間隔でノンレム睡眠(深い睡眠)に入ったとき大量に分泌されますつまり睡眠が不足してしまうとホルモンの分泌が抑制されてしまい、脂肪も溜まりやすくなります。

2.中性脂肪と年齢の関係性

各年代別で中性脂肪値を厚生労働省が毎年調査しています。その調査結果から、各年代の中性脂肪の平均値はどの程度なのか、また自分の中性脂肪値は平均値と比べどうなのか。10歳、20歳離れた年代の平均値と同程度、またはそれ以上になっていないか、ここでしっかりと把握して今後に生かしていきましょう。

2-1.中性脂肪の各年代間の比較

表1.2015年度 血中中性脂肪値の平均値

2015年度厚生労働省 各種統計調査参照

表1.から、年齢を重ねるごとに中性脂肪値は上昇する傾向にあり、どの年代でも基準値に収まっていません。しかし20代は、基準値に近い値を示しています。これは身体の基礎代謝が比較的高いためと思われます。

一方で30代の平均基礎代謝量は、20代よりも1.7kcal/kg/日ほど高くなっています。(表2.)

基礎代謝に1.7kcal/kg/日の差があるというと想像できないと思いますが、たとえば体重70kgの人で比較すると、20代の場合1日あたり1680kcalの基礎代謝量となり、30代の場合1日あたり1561kcalの基礎代謝量となります。その差119kcal/日となります。119kcalといえば8枚切り食パン1枚分、約30~40分間のウォーキングに匹敵します。これが1ヶ月続けば食パン30枚分、ウォーキングだと15~20時間分の差となります。1ヶ月間何もしない場合、3570kcal/30日が消費されず体内に留まることになります。

つまり30代では、1日に食パン1枚分を我慢するか30~40分間のウォーキング程度の運動を行って、初めて20代のころと同じ中性脂肪値を保てるということです

表2. 年齢と基礎代謝

日本医師会 健康の森参照

3.中性脂肪を下げる生活

ここまでで、中性脂肪値が上昇する原因は大体つかめたと思います。では下げるにはどうしたらよいのか。

それは、生活習慣を見直し運動することです。しかしこれができれば誰も苦労はしません。

そこで多忙な30代でも手軽にできる方法をご紹介したいと思います。

3-1.食事により中性脂肪を下げる

3-1-1.食事制限

動物性脂肪(肉の脂身、バター、ラード、ショートニング、卵黄など)を多く含んだ食べ物を控える。また、糖質などを制限することも有効です。例えばパンやラーメン、白米などです。外食時に、ご飯の大盛りやラーメンの替え玉を頼んではいませんか?まずは白米の大盛りやおかわり、ラーメンの替え玉は控えましょう。

3-1-2.食生活

重要なことは

  1.  規則正しい食事
  2.  食物繊維の補給
  3.  バランス食

などがあります。会食等も増え多忙な30代で①や③は、なかなか難しいと思いますが、休日や出来る日だ

けでも実践してみてはいかがでしょうか。②の食物繊維の補給は多くの人ができるのではないでしょうか?会食時にも意識的に食物繊維が高い食べ物を食べてみましょう。

ちなみに厚生労働省の「日本人食事摂取基準 2015年度版」によると、食物繊維の1日当たりの目安摂取量は、18歳〜69歳までで20g以上、70歳以上で19g以上だそうです。また日本人男性が1日に摂取している食物繊維の平均値は13〜17g程度の量しか摂取していません。(表3.

表3. 2015年度 1日あたりの食物繊維摂取量

 

2015年度厚生労働省 各種統計調査参照

3-2.良質な睡眠

20g以上を摂取するにはどのような食べ物を摂取したら良いのでしょうか。日常的に食べやすい食物繊維が豊富な食べ物としては納豆(6.7%)、ごぼう(5.7%)、山芋(2.0%)、アボカド(5.3%)、オクラ(5.0%)、海藻類(乾燥物のため高い値が出てしまいますが27〜50%程度)などがありますので、このような食べ物を外食時なども意識的に取り入れるようにしましょう。

また最近では、食物繊維を豊富に含んだ飲料なども販売されています。例えばアサヒより販売されている十六茶Wやキリンより販売されているトロピカーナ エッセンシャルズなどです。時間がない方にはこちらもお勧めです。

どんなに多忙な30代でも睡眠しないという人はいないでしょう。良質な睡眠は、基礎代謝力をあげることが出来ます。そのため、しっかりと睡眠をとることが中性脂肪を下げることに繋がります。

睡眠を長くとることが重要ではありません。いかに質が高い睡眠をとるかが重要になってきます。これは個人差がありますが、目安としては、

  1.  起きたとき熟睡感があるか
  2.  日中眠気がないか
  3.  活動に支障はないか

などがあげられます。そのため自分に合う睡眠のサイクルをみつけだし、睡眠の質を高めましょう。

良質な睡眠をとるためにはどうしたら良いか。その方法は以下の10個です。

  1.  ぐっすり眠れる環境を整える (例えば自分にあった寝具を揃えるなどです)
  2.  睡眠の2〜3時間前には食事を終わらせる
  3.  寝る1時間前までにはお風呂に入る
  4.  寝る前にストレッチを行う
  5.  寝る前にPCやスマホを見ない癖をつける
  6.  手足を伸ばした状態になる
  7.  ノンカフェインの飲み物を飲んでリラックスする
  8.  部屋を暗くする
  9.  悩みながら就寝しない 
  10.  起きたらダラダラしない

最初から10個を全てはできないと思います。手軽にできるところから始めてみましょう。

3-3.適度な運動

「運動をしましょう」と言っても30代の場合、仕事が忙しくまとまった時間が取れないなどで運動が出来ない人が多いと思います。そのような中でも、手軽な運動はできるかもしれません。たとえば会社ではエレベータを使わず階段を使う、会社帰りにいつもより遠回りして帰る、休日にデパートなどへ買い物に行った際にも階段を使うなどです。まずは手軽に始めてみるのもよいでしょう。

ただ効率的に脂肪を燃焼させるには、やはり有酸素運動がよいとされています。そのため、ウォーキング、ジョギングなどが効果的です。まずは30分程度のウォーキングから始めてみてはいかがでしょうか?

有酸素運動するときのコツですが、ストレッチ→筋トレ→ストレッチ→有酸素運動の順番で行うことでより効果的に脂肪を燃やせるといわれています。ストレッチは全身の値のめぐりをよくすることで脂肪燃焼に効果を発揮し、筋トレは成長ホルモン分泌量を高め、体脂肪を分解しやすくしてくれます。

いずれにしても継続が大事です。1~2日おきでも大丈夫ですので、まずは始めてみましょう。

4.まとめ

いかがでしたでしょうか?30代は代謝も下がり始め、また生活の習慣も大きく変わる年代です。徐々に中性脂肪値は上昇し気付けばいつの間にか中年太りになっているということはよくあることです。

運動などを行うのは腰が重いという方もいると思います。しかし食事の制限や良質な睡眠をとるなど簡単な対処法もあります。

家族がいらっしゃるかたでしたら、家族みんなで食事や睡眠の改善に取り組めばより効率的に改善していけるかもしれません。