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  • 2017/9/3

異性化糖(ぶどう糖果糖液糖、果糖ぶどう糖液糖)を紹介します

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「異性化糖」という言葉、見たこと、聞いたことありますか?見たことない方も、もしかしたら「ぶどう糖果糖液糖」や「果糖ぶどう糖液糖」という言葉なら見たことがあるのではないでしょうか。なんだか甘そうなことだけはわかるのだけど、最近良く見るこの怪しい「糖」は何なのでしょうか?今回は、この「異性化糖」について紹介します。

1.異性化糖って何?

「異性化糖」という言葉、とても難しいですよね。簡単に言うと「ぶどう糖(グルコース)と「果糖(フルクトース)」が混じった糖の液体のことを言います。少し難しいかもしれませんが、より正確には、デンプンを分解して得られるぶどう糖からなる糖液の一部のぶどう糖の構造を変化させて果糖にしたもので、ぶどう糖と果糖が混じった糖液のことを言います。ぶどう糖と果糖は「異性体」という関係にあり、化学式はC6H12O6で同じなのですが、構造が異なるのです。

トウモロコシやジャガイモ、あるいはサツマイモなどのデンプンをぶどう糖に分解するだけでとても甘いのですが、ぶどう糖をより甘味の強い果糖にする(異性化させる)ことによって、より甘味を強めることができるのです。それではまず、ぶどう糖と果糖についてみてみましょう。

1-1.異性化糖の液体に含まれるぶどう糖(グルコース)

糖の一種であり、代表的な単糖のひとつです。単糖というのは、6角形のような構造のものが1つあるという意味です。ぶどう糖は、とても甘い成分なのですが、人や動物や植物が活動するためのエネルギーとなる物質のひとつなのです。人の場合、食べたものが消化酵素によって分解され、ぶどう糖になり、血液に入り、血液中から様々な細胞にぶどう糖が届けられます。血糖値というのは、血液中のぶどう糖の量をみているんですよ。また脳のエネルギーになるのは、このぶどう糖だけということからも、人が生きていくうえで、本当に重要な成分だということがわかります。

1-2. 異性化糖の液体に含まれる果糖(フルクトース)

先に述べましたが、果糖はぶどう糖と「異性体」という関係にあり、化学式はC6H12O6で同じなのですが、構造が異なります。果糖も、とても甘い成分であり、ぶどう糖と同じく糖の一種であり、単糖のひとつなのです。果糖は、果物の糖、と書きますが、木に成る果実やベリー類、あるいはメロンなど、果物に含まれています。また、ハチミツやある種の根菜にも含まれているのです。

果糖には、もうひとつ重要な点があります。それは、血糖値を上げない、ということです。果糖とブドウ糖は同じ糖類なのですが、体の中で分解されるときの経路が異なります。ブドウ糖は血液中に吸収されてから血糖として全身に運ばれますが、果糖のほとんどは肝臓で分解されてしまうため、血糖値を上昇させないのです。一方で、ブドウ糖より吸収の早い果糖は余った分をすぐに中性脂肪として合成させてしまう、という点も見逃せません。すなわち、血糖値の観点からすると体にはよさそうなのですが、中性脂肪の観点からすると少し厄介な成分なのです。

追記ながら、果糖は、血糖値を上げませんので、ぶどう糖より満腹感を得にくく空腹感が満たされません。そのため、ぶどう糖より甘いにもかかわらず、ぶどう糖の食品よりも、より食べ物を欲してしまうと言われています。

1-3.ぶどう糖と果糖が結合した砂糖(スクロース)

ちなみに一般に「砂糖(スクロース)」と呼ばれているものは、ぶどう糖(グルコース)と果糖(フルクトース)が結合(α-1,2-グリコシド結合)した糖であり、二糖類の一種なんです。6角形と5角形のものが2つくっついているので二糖類と呼ばれています。

1-4.「異性化糖」の種類

冒頭で、「異性化糖」とは「ぶどう糖(グルコース)と「果糖(フルクトース)」が混じった糖の液体のことを言います、と述べました。この「異性化糖」は「ぶどう糖」と「果糖」の存在割合にしたがって名称が異なります。一般に食品の裏にある原材料表示に記載され、目にするのは次のような言葉ではないでしょうか。

・ぶどう糖果糖液糖

:果糖含有率(糖のうちの果糖の割合)が 50% 未満のもの

・果糖ぶどう糖液糖

:果糖含有率が 50% 以上 90% 未満のもの

・高果糖液糖

:果糖含有率が 90% 以上のもの

・砂糖混合異性化液糖

:上記の液糖に 10% 以上の砂糖を加えたもの (その液糖がブドウ糖果糖液糖なら砂糖混合ブドウ糖果糖液糖)

(※日本農林規格 (JAS)引用)

いかがでしょうか?特に、「ぶどう糖果糖液糖」や「果糖ぶどう糖液糖」は見たことがあるのではないでしょうか?なぜこれらの異性化糖が食品に使用されるようになったのでしょうか。それは、果糖の性質として、特に低温の場合、普通の砂糖よりも甘く感じるという性質があるため、清涼飲料水などに向いているからではないでしょうか。さらに企業のメリットとして、普通の砂糖よりもコストが安くすむという利点があるからではないでしょうか。

2.異性化糖が使用される食品

「異性化糖」は思っている以上に幅広い食品に使用されています。食品の原材料表示に「ぶどう糖果糖液糖」や「果糖ぶどう糖液糖」とあるものは、すべて異性化糖が入っているということになります。たとえば、清涼飲料水、炭酸飲料を始め、多くの種類の加工食品など、ありとあらゆる飲み物や食品に使われています。具体的には、炭酸飲料としてのコーラ、ファンタ、CCレモン、キリンメッツなど、食べ物としてのレトルトカレー、ぎょうざ、アイスクリーム、ヨーグルト、コーヒー牛乳、さらには調味料としてのソース、ケチャップ、マヨネーズ、ドレッシング、めんつゆ、ノンオイルドレッシング、焼き肉のたれ、納豆のタレ、みりん風調味料などにも入っています。もう、枚挙にいとまがありません。

3.異性化糖が安全ではないとされる2つのこと

コストが安くて使用される「異性化糖」。安全性はどうなのでしょうか。基本的には安全性は認められていますが、安全ではないとする声もあります。「異性化糖」が安全ではないといわれる原因を3つ紹介します。

3-1.遺伝子組換えのとうもろこしから製造されている

たとえば、納豆を買うとき、食品表示に「大豆(遺伝子組み換えでない)」という文言をみたことがないでしょうか?アメリカを始めとして遺伝子組み換えをした大豆の生産が盛んになり、全世界に輸出されていますが、その安全性についての議論は未だに続いています。

実は、加工過程で分解されている場合は「遺伝子組み換え」であることを表示しなくても良いのです。ん?もう一度書きます。遺伝子組み換えされたとうもろこしを原材料としていても、ぶどう糖果糖液糖、果糖ぶどう糖液糖、水飴、人工甘味料、コーン油、アルコールなどに分解加工されている場合は、表示しなくてもよいのです。すなわち、「ぶどう糖果糖液糖」「果糖ぶどう糖液糖」と記載されていれば、それが遺伝子組み換えのとうもろこしを使用しているかどうかがわからなくなるのです。私たちは知らず知らずに遺伝子組換えの食べ物を食べているのです。

3-2. 果糖はぶどう糖に比べ、約10倍も糖化反応に使われやすい

果糖は老化に関わっているとされるAGE(最終糖化産物)をぶどう糖の10倍も作りやすいといわれています。AGEとは、体内で糖とタンパク質が熱によって変性することでできる物質で、この現象を糖化やメイラード反応と呼びます 参照。 AGEは血管や肌、目、内蔵などの臓器、さらには神経においても生成され、その結果、動脈硬化、白内障、腎臓病、神経障害、脳梗塞や心筋梗塞に至らしめると考えられています。

ぶどう糖に比べて果糖は10倍もこのAGEを作りやすいというのです。異性化糖は、果糖が入っていますから、体内においてAGEが作られやすい状況に陥ることを意味します。果糖を避けるために果物を食べることすら避けるのは行き過ぎだと思いますが、わざわざ異性化糖の入った飲料や食べ物をたくさん食べることはなるべく避けたほうがいいかもしれません。

4.「異性化糖」との付き合い方

それでは、「異性化糖」が入った飲料や食品とどのように付き合えばよいのでしょうか?結論としては、避けられるならばなるべく避けたほうが良いけれど、あまり神経質にならないくらいの考え方でよいのではないでしょうか。確かに果糖はAGEを作り出し、体に悪さをするとされていますが、それでも、果糖はそもそも果物に含まれている成分であり、昔から日常的に摂取している成分です。したがって、人工甘味料、代表的なアスパルテームとは違い、それほど神経質にならなくてよいと考えます。現在のスーパーのありとあらゆる食品に含まれていますので、避けることはほぼ困難です。このような中、神経質になりすぎると、かえってそちらのほうが健康を害するのではないでしょうか。

5.まとめ

「異性化糖」についてみてきましたがいかがでしたでしょうか?ぶどう糖と構造が異なる果糖が、ぶどう糖よりも甘く、砂糖よりも安く扱えるということから、「異性化糖」がたくさん使われるようになったようです。しかし良い話の裏には、危険だと考えるのが人の常でしょう。確かに果糖はぶどう糖とは異なる振る舞いをしますが、それでも果糖は果物に含まれる糖の一種です。取りすぎにだけ注意するためにも、買い物の際、原材料名を少し見てみましょう。少し賢い買い物ができるかもしれませんよ。