会社の健康診断で血液検査の結果、HDLコレステロールの値が高い!中性脂肪の値が低い!と検査結果に記載されている貴方!そのことが自分の体にとって何を意味するのか?まったく解りませんよね。ここでは丁寧にHDLコレステロールの高い意味や中性脂肪が低い意味を解説し、あなたの知らない不安を取り除きます。そして、そうなってしまった原因を知ることで、明日からの生活改善につなげてください。
1.HDLコレステロールが高いのは悪いことではありません!
HDLコレステロールは別名:善玉コレステロールと言われており、昔は数値が高ければ高いほど健康にとっては良い事だと言われ、又、動脈硬化抑制作用が強く、長寿に繋がることから、HDLコレステロール値が高い状態を長寿症候群とも言われています。ここではそんなHDLコレステロールについて学んでいきましょう。
1-1:HDLコレステロールとLDLコレステロール。
HDLコレステロールは、血管の壁に溜まってしまった余分なコレステロールを取り除いて、肝臓に運ぶ役割があります。つまり、血管のつまりを取り除く働きをしてくれますので、血管のつまりによって起こる動脈硬化の予防にとても大切な存在と言われています。
また、HDLコレステロールを説明するのに必要なもう一つのコレステロールがあります。それはLDLコレステロール(悪玉コレステロール)です。LDLコレステロールは、肝臓に蓄積しているコレステロールを体内に運ぶという役割があります。よって、LDLコレステロールが多くなると、HDLコレステロールはコレステロールを運びきれなくなってしまい、血管のつまりを引き起こし、動脈硬化や高脂血症などを引き起こします。
1-2:最新版、HDLコレステロールが高い場合の注意点!
では、HDLコレステロールの数値は高ければ高いほど良いのでしょうか?実はそうとも言えません。最近の研究では基準値(男性40~85mg/dl・女性40~95mg/dl)を大幅に超えて100mg/dl以上の場合は何かしら体に悪い兆しがあると言われています。それは、肝機能の低下です。コレステロールの7~8割は肝臓で作られます。食事は2~3割の影響と言われています。つまり、HDLコレステロールの数値が低い場合はもちろんのこと、高い場合でも、肝機能についての問題が疑われるのです。
1-3:HDLコレステロールが高い場合、気になる二つのケース!
HDLコレステロールの数値が高い場合に注意が必要なのは、次の2つのケースです。それは、「肝機能の障害が疑われるケース」と「CETP欠損症が疑われるケース」です。
1-3-1:「肝機能の障害が疑われるケース」は原発性胆汁性肝硬変の可能性。
「肝機能の障害が疑われるケース」としては、原発性胆汁性肝硬変の可能性があります。原発性胆汁性肝硬変というのは、肝臓の胆管が破壊されることにより、胆汁の流れが悪くなり、回収したコレステロールを胆汁に排出できなくなります。これによって、HDLコレステロールの数値が高くなるのです。症状としては、かゆみ・疲労感・口の渇き・ドライアイ・黄疸などの症状が現れます。
1-3-2:「CETP欠損症が疑われるケース」は動脈硬化のリスクが高い。
「CETP欠損症が疑われるケース」は、動脈硬化のリスクが高くなります。CETP 欠損症は、遺伝性のコレステロール逆転送系の代謝異常症のひとつです。CETP活性が低下すると、HDL粒子中のコレステロールエステル(CE)が転送されず、CEに富む大粒子のHDLが増加します。小粒子HDLは細胞からコレステロールを引き抜く作用を有しますが、大粒子HDLはこの作用が弱いため、血液中からコレステロールを取り除くことが出来なくなり、動脈硬化のリスクが高まります。
2.中性脂肪が低いのは低中性脂肪血症です。
中性脂肪の健康診断での基準値は30~149で、29以下になると低中性脂肪血症と診断されます。低中性脂肪血症になったからといって、すぐに体に影響がでることはありません。しかし低中性脂肪血症の状態は体内の中性脂肪が足りていない=栄養素が足りないということになるので、健康的ではないといえます。ここでは中性脂肪が低いと起きる健康への影響を学びましょう。
2-1:めまいや倦怠感、頭痛などの症状が出てきます。
中性脂肪が低いということは体内の栄養素が少ないことを意味する為、めまいや倦怠感、頭痛などの症状が出てきます。これらの症状は栄養不足になることで神経機能の低下を招き、脳神経の不調が起きてしまうことで症状が出てしまうためです。また、栄養不足によって免疫力も低下しますので、病気にかかりやすくなったり、体力がなくなることもあります。
2-2:肌の乾燥や老化など肌のトラブルが出てきます。
栄養素が少なくなると、当然乾燥や老化などの肌関係のトラブルも起きてしまいます。中性脂肪が少なくなってしまうことで、ビタミン類や必須脂肪酸が減少してしまい、肌が荒れてしまうのです。適度な中性脂肪がないと老け込んでしまうといわれています。
2-3:動脈硬化のリスクが高くなります。
中性脂肪が低くなると動脈硬化のリスクが高くなります。これは、栄養が不足することで血管が弾力性を失ってしまい、硬くて脆い状態になる動脈硬化です。また、血管がもろくなると破れやすくなってしまうため、脳出血などが起きてしまう可能性もあります。
2-4:体温維持や内臓保護など体の機能が低下します。
中性脂肪が低くなると体温維持や内臓保護などの身体の機能も低下します。中性脂肪には体温を調整する機能も備わっており、これが失われてしまうと体が寒さに弱くなってしまい、内臓にも影響が出てしまうのです。寒い地方の動物が寒い時期に太っているのはこのような体の機能を維持する目的もあるのです。
3.HDLコレステロールが高く、中性脂肪が低い人は健康的!?
ではHDLコレステロールが高くて、中性脂肪が低いあなたの健康状態は良いのか?悪いのか?悩みますよね。HDLコレステロールが高いことは血中からコレステロールを運ぶものなので動脈硬化を予防し悪いことではありません。また、中性脂肪が低いのも、血中に中性脂肪が溢れていないので悪いことではありません。
但し、体が疲れやすい状態でふらふらしたり、動脈硬化などの健康被害を引き起こす可能性がなくもありません。今一度、これから説明する4つのパターンに生活習慣が当てはまる場合は注意して、生活習慣の改善に役立ててみてください。
3-1:食事の偏りがあるパターン!
まず主な原因としては食事内容の偏りが原因の可能性があります。コレステロール値を上げる原因になる脂身の多い肉や卵、乳製品をたくさん食べている。それなのに、野菜や海藻、豆類に魚類などは あまり食べていないという場合が このケースに当てはまります。摂取エネルギー自体はそう多くないのに コレステロール値を上げる要因が多いため バランスが崩れてしまうのです。
3-2:アルコールの飲みすぎのパターン!
アルコールには、善玉コレステロールを増やし、悪玉コレステロールを減らす作用があると言われています。日本酒なら0.5~1合、缶ビール1本程度です。但し、それはあくまでの適量のお話しです。 飲み過ぎてしまうと、肝臓に負担をかけるのでほどほどに嗜むか、休肝日など週に1日~2日をつくり、肝臓を休ませましょう。
3-3:過剰なダイエットのし過ぎのパターン!
過剰なダイエットをした場合、特に激しい運動をしながらも、炭水化物0ダイエットをすると血液中にブトウ糖がなくなり、中性脂肪が低い状態になります。体が飢餓の状態です。その状態で食物繊維の多い野菜・海藻・きのこだけを積極的に食べるとHDLコレステロールは高くなる傾向はあります。但し、体は飢餓状態の栄養不足のため、免疫力が低くなり、病気にかかりやすくなります。
3-4:ストレスや過労のパターン!
また直接的な栄養の摂取以外にもストレスや過労によって コレステロール値が上昇する事もあります。ストレスが溜まってくると身体の中で活性酸素が増えてきて体内が酸性に寄ってしまいます。それに対する防衛反応として脂肪を肝臓や脂肪細胞から血液に流すため コレステロール値が高くなってしまうのです。この場合は食べ過ぎに関係ない反応ですので中性脂肪の値には変化をあたえません。よって、ストレスや過労で食が細くなり、食事もままならなくなり、中性脂肪が低い状態も引き起こします。
4.まとめ
HDLコレステロールが高めで、中性脂肪が低めな方の健康情報はこれで理解をいただけましたか。HDLコレステロールは本来、血管のつまりを取り除くもので、数値が高いのは良いものです。また、中性脂肪も高いよりかは低いほうがベストです。但し、可能性としてはどちらも基準値を超えた場合は何かしらのシグナルかもしれません。今一度、自分の生活習慣を見直し、原因を考えながら、健康管理に努めてください。
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