1日に摂取する糖質の量を制限する糖質制限では、普通のダイエットとは違いアルコールも飲むことができます。ただしアルコールの中でも糖質を含まないものや、または糖質が非常に少ないもの限定です。
またアルコールを飲んでもよいとはいっても、飲み過ぎると肝臓に負担がかかるため、摂取量に注意しましょう
目次
1 糖質制限中でもアルコールを飲んで大丈夫!
糖質制限中でもアルコールを飲んでも問題ありません。後述しますが、もちろんアルコールといっても飲んでいいアルコールと飲んではいけないアルコールがあります。
アルコールを飲んで太る大きな理由としては、アルコールが糖質よりも優先して体の中で分解され、その間糖質は肝臓内で行き場がなくなり脂肪へと変化する、または体についている脂肪の分解を抑制してしまうことが考えられます。
脂肪の分解が抑制されると脂肪の動きに変化がないだけだが、糖質は脂肪へと変化してしまいます。ただ糖質さえ食べなければ、糖質が脂肪へと変化することはありません。そのためもともと糖質をあまり食べない糖質制限においてはアルコールを飲んでも大丈夫というわけです。
2 飲んでも大丈夫なアルコールと飲んではダメなアルコール
糖質制限中にアルコールを飲んでも大丈夫といいましたが、これは糖質を食べないことが前提になります。アルコールつまりお酒の中には糖質を多く含むものもありますのでそこだけは注意しなければなりません。ここでは糖質をあまり含まないアルコールや糖質を多く含んでいる飲んではいけないアルコールをご紹介します。
2-1 糖質がほぼゼロな蒸留酒がおすすめ
蒸留酒は、焼酎、ウィスキー、ブランデー、ウォッカ、ジン、ラムなどが蒸留酒にあたります。これらの蒸留酒の糖質は限りなくゼロに近く、焼酎・ウィスキー・ブランデーは100g中糖質はゼロg、ウォッカ、ジン、ラムなどの糖質は0.1gとされています。糖質がほとんど入っていないため、糖質制限中にアルコールを飲みたくなったら、蒸留酒のものにしましょう。
アルコール |
糖質量(100g中) |
焼酎 |
0g |
ウィスキー |
0g |
ブランデー |
0g |
ウォッカ |
0.1g |
ジン |
0.1g |
ラム |
0.1g |
蒸留酒に含まれる糖質が少ない理由 蒸留酒の糖質量が少ないのは、蒸留酒の製造方法に秘密があります。 蒸留酒は、醸造酒を蒸留させて作ったものになります。例えば、ポップなしのビールを蒸留させて作ったものがウィスキーになり、ワインを蒸留させたものがブランデー、日本酒を蒸留させたものが焼酎になります。それぞれを蒸留させたとき糖質はそこではじかれます。そのため蒸留酒は糖質を含まないということになります。 |
2-2 糖質制限中に飲んではいけないアルコール
ビール・日本酒・紹興酒・梅酒の糖質は高いです。ビールは多くの方が最初の1杯目に飲み、かつ量も多くなりがちです。その糖質量は意外と高く100g中3.1~4.9gの糖質を含んでいます。生中1杯400ml程度ですので、生中1杯で12.4~19.6gの糖質量になります。日本酒は100g中3.6~4.9g、紹興酒は100g中5.1g、梅酒で100g中20.7gの糖質量です。すべてが非常に多くの糖質を含んでいます。糖質制限中はビール・日本酒・紹興酒・梅酒は飲まないほうがいいでしょう。
アルコール |
糖質量(100g中) |
ビール(醸造酒) |
3.1~4.9 |
日本酒(醸造酒) |
3.6~4.9 |
紹興酒(醸造酒) |
5.1g |
梅酒(混成酒) |
20.7g |
ちなみに醸造酒に糖質が多く含まれる原因はその製造工程にあります。醸造酒は糖質を多く含む米や麦や果実などを発酵させて作ります。そのため、糖質を多く含んだアルコールになってしまうというわけです。
2-3 注意すべきアルコール
発泡酒やワインなどを飲む際は気を付けなければなりません。全く飲んではいけないわけではありませんが、注意が必要です。
・発泡酒
発泡酒と一口に言ってもその中でもたくさんの種類があります。糖質ゼロ・オフ・カットなどの表示を目にしたことがあると思います。実はこれらに含まれる糖質量はゼロ・オフ・カット大きく異なります。糖質ゼロは100ml中0.5g未満のもの、糖質オフは100.ml中2.5g以下のもの、糖質カットは、商品によって異なるが、ほかの商品と比べて何パーセント抑えたというもです
・ワイン
赤ワインで糖質は100g中約1.5g、白ワインで約2g、ロゼワインで約4gとなっています。飲むのなら、糖質が高いロゼは避けて赤ワインにしましょう。
3 糖質制限中のお酒のお供「おつまみ」の選択ポイント
アルコールを飲む際には、アルコール+おつまみという形になる方が大半を占めている思います。しかし、このおつまみですが、ちゃんと考えて選ばないと大変なことになります。
3-1 避けるべきおつまみ
ご飯や麺類などの炭水化物は言うまでもないことかもしれませんが、そのほかチヂミ、お好み焼き、たこ焼き、から揚げ、フライドポテト、餃子などが避けるべき食べ物としてあげられます。これらは非常に高カロリーな食べ物です。糖質制限中に摂取カロリーを気にすることはないかもしれませんが、必要以上のカロリーを摂取してそれがエネルギーとして使われなければ、体に脂肪として蓄えられてしまいうためです。
3-2 おすすめのおつまみ
糖質制限中は基本となることかもしれませんが、たんぱく質を多く含むものがおすすめになります。たんぱく質が豊富なおつまみとしては、焼き鳥や焼き魚があるかもしれませんが、これらは塩で味付けされたものにしましょう。タレで味付けされたものには糖質が多く含まれていますので避けましょう。
そのほか成分としておすすめしたいのが、ビタミンB1やCやEになります。これらビタミンにはアルコールを分解する補助的な役割を担ってくれます。
成分 |
食べ物 |
効果 |
たんぱく質 |
ローストビーフ、鴨のロースト、馬刺し 焼き鳥(塩)、刺身、焼き魚(ししゃも、ホッケ) 枝豆、冷奴 |
動物性・植物性たんぱく質は、肝臓がアルコールを分解するのに必要 |
ビタミンB1 |
ニラ玉、レバニラ、ネギ、ニンニク |
肝臓のアルコール分解を助ける成分 |
ビタミンC |
小松菜、ブロッコリー、ピーマンの肉詰め |
アルコールの代謝に不可欠なだけでなく、ビタミンCはアルコールによって腸管からの吸収が阻害されるので多めに食べましょう。 |
ビタミンE |
ナッツ類 |
アルコール代謝を促進する働きが。ただし、高カロリーなので食べすぎには注意 |
4 糖質制限中にアルコールを飲む際の注意点
糖質制限中にアルコールを飲んでも問題ないが、いくつか注意点があります。
4-1 糖質制限中は酔うのが早い
体内の水分は糖質と結びついています。糖質制限中は体内の糖質量が減るため、それに比例して体内の水分量も少なくなります。結果、糖質制限をしている時に飲酒すると、血中のアルコール濃度が通常よりも高くなるため、普段よりも少ない量のお酒で酔いやすいのです。
今回おすすめしている蒸留酒は、アルコール度数が高いものばかりですので、糖質制限中にいつものようなペースで飲んでしまうと非常に危険です。糖質制限中は量は控えるようにしましょう。
4-2 アルコールを飲むと太りやすい状態が続く
アルコールを飲むと肝臓で最優で分解されることになります。肝臓は糖質を一時的にストックしておく機能やストックしてあった糖質を消費したりする機能があります。しかしアルコールを飲むとその機能が低下してしまい糖質は脂肪へと変化しやすくなってしまいます。そのため、たくさんのアルコールを飲むと、それだけ肝臓の機能が低下した状況が続くことになります。つまり太りやすい状態が続くというわけです。肝臓でアルコールが分解されきっていないような状況で糖質を食べるようなことはしないほうがいいでしょう。飲みの後の〆でラーメンなどは絶対にやめましょう。
4-3 大量のアルコールを飲むと体がさびる!?
過剰にアルコールを摂取した場合、毒性のあるアセトアルデヒドが体内に大量発生します。毒物であるアセトアルデヒドを無害にしようと体は頑張ります。しかし、その頑張りによって活性酸素種(体のさびのようなもの)が大量に発生して体内の酸化ストレス(心筋梗塞やアルツハイマー病に関係しているといわれている)を上げてしまいます。そうならないためにも抗酸化効果のあるものをアルコールを飲む前後に摂取しておいたほうが無難だといえます。抗酸化効果のあるものとしてはビタミンA、C、Eやポリフェノール(お茶などが含有)などがあげられます。
5 まとめ
いかがでしたでしょうか。糖質制限中だからといってアルコールを飲んではいけないということはありません。しかし注意点はいくつもあります。その注意点を守ってアルコールは飲むようにしましょう。
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