• 糖質
  • 2018/9/11

シュガーレスの意外な真実!シュガーレスの意味とは?

糖質

食品に表記されている、シュガーレスやノンシュガーなどの表記をよく見かけますよね。この詳しい意味をご存知でしょうか?言葉の意味は何となく分かると思うのですが、実際にどのような違いがあるのかを説明できる人は少ないでしょう。今回はシュガーレスやノンシュガーなどの表記の意味についてご説明します。

1.糖類が含まれていないという意味

糖質についての表記は様々なものがあるのですが、シュガーレスの意味はその名の通りでシュガー、つまり糖類が含まれていないという意味です。実はこの表記については法律によって定められています。

これは健康増進法に基づく栄養表示基準により、糖類を含まない表記(無、0、ゼロ、ノン、レスなど)を表示する場合、日本の法律で食品100gもしくは飲料100mlに対し、糖類が0.5g未満であることが必要という条件があるのです。

消費者庁 栄養表示基準の取り扱い

つまり、シュガーレスという表記があることは、国が定めている基準をクリアしている商品であるということなのです。

また、上にあるように無糖、シュガーレス、ノンシュガー、糖類ゼロの表記は同じ理由により実は同じ意味なのです。

1-1.シュガーレスといっても完全にゼロではない

先ほど説明したように健康増進法により、糖類を含まれない表記の場合は100gもしくは100ml当たりに含まれている糖類の量が0.5g未満が条件になります。

つまり500mlのペットボトルの飲料の場合、最大で2.5g未満の糖類が含まれているということになります。角砂糖(3g)だと1個もないくらいの量ですが、気になる人は要注意です。

1-2.シュガーレスは糖を気にしている人のための製品

なぜこのようなシュガーレス等の表記をしているかというと、当たり前ですが糖尿やダイエットなどで糖を気にしている人のための表記です。商品の中に糖が含まれていないとアピールすることで、糖を気にしている人たちが買いやすくしているのです。

シュガーレスとういことで、甘くないんじゃないかという印象があるかもしれませんが、実はシュガーレスでも甘くすることはできるのです。

2.シュガーレスでも甘くできる

シュガーレスの製品を口にしたときに気づくかもしれませんが、糖類がゼロのはずなのに甘いという製品があります。実はこれにはからくりがあります。

2-1.人工甘味料は入れることができる

1章で説明したように、糖類が既定の量を含まなければ0の表記ができます。そのため、糖類に分類されないステビアなど天然甘味料、アスパルテームなどの人工甘味料、キシリトール、エリトリトールといった糖アルコールを使用していても、糖類ではないため、糖類が含まないという表記ができるのです。

つまり、シュガー(糖類)ではなく糖質がゼロだという表記の場合、これらの人工甘味料も入っていないことになります。

2-1-1.炭水化物、糖質、糖類の違いとは

先ほど、人工甘味料や糖アルコールなどの糖質というものを紹介しましたが。

栄養表示基準によると、「糖質」、「糖類」は以下のようになります。

  • 「糖質」とは、『炭水化物から食物繊維を除いたもの』の総称
  • 「糖類」とは、『単糖類・二糖類』の総称

「糖質」から「多糖類・糖アルコールなど」を除いたものが糖類になるのです。

参考:日本コカ・コーラ株式会社 炭水化物の表示

上記の表に出てくる成分では下記のようなものがあります。

・炭水化物
食物繊維:ポリデキストロース、セルロース、難消化デキストリンなど

・糖質
三糖類以上の多糖類:オリゴ糖、デキストリン、でんぷんなど
糖アルコール:還元麦芽糖水飴、エリスリトール、キシリトール、マルチトールなど
その他:アセスルファムK、スクラロース (甘味料)、クエン酸、クエン酸ナトリウム(酸味料)など

・糖類
二糖類:砂糖、乳糖、麦芽糖など
単糖類:ぶどう糖、果糖など

このように分類されるため、糖類と判断されない人工甘味料は入れることができるので、シュガーレスの製品でも甘みを感じることができるのです。

これらは食品の裏などに記載されている、成分表示に載っているので確認してみましょう。

シュガーレスとノンシュガー

今でこそ意味は同じなのですが、シュガーレスとノンシュガーは以前は明確な違いがありました。その違いは以下のようなものです。

 ●「シュガーレス」

食品に砂糖(ショ糖)や果糖、ブドウ糖や麦芽糖など糖を含まない。

 ●「ノンシュガー」

食品に砂糖は使用されていない。しかしブドウ糖や麦芽糖、水飴などは20%程度使用は可。

 このように砂糖を使用しないという点では同じですが、ノンシュガーは砂糖以外の糖類は少量は使ってもよいという違いがありました。しかし1996年に栄養改善法が改正され、表示切替の猶予期間を挟み199841日から紹介したように食品に含まれていないと表記する場合、食品100gもしくは飲料100mLに対し、糖類が0.5g未満という基準が決められたのでした。

2-2.砂糖不使用に要注意

シュガーレスやノンシュガーと同じようによく表示されている「砂糖不使用」という表記があるのですがこの表示については要注意です。

製品によっては、シュガーレスと同じとように糖類を含まれているものもあるようです。しかし、実際には「砂糖不使用」というのは、製造の段階で砂糖が含まれていないということを意味しています。

つまり、砂糖を使って製品を加工はしていないかもしれませんが。その原材料に使われている食材に含まれるものについては特に制限されていません。そのため食品の加工段階では砂糖は含まれていませんが、果物などを加工した場合果糖がふんだんに含まれる製品というものもあります。

この場合、製品の裏面に記載されている栄養成分表示の砂糖(ショ糖)を確認すれば含有量を知ることができるので、砂糖不使用を掲げている商品については確認するようにしましょう。

3.シュガーレスで糖質制限

ここまでの説明でシュガーレスがどのようなものかは理解できたかと思います。そこで気になるのが糖質制限をシュガーレスでできるかということです。先に答えだけをお教えするとモノによるという答えになります。

3-1.糖質制限という考え方では向いていない

これはどういうことかというと、糖質制限はその名の通り糖質を制限するものです。今までの説明の通りシュガーレスは糖類を抑えているものです。糖類は糖質の一部であるため、糖質自体を抑えることができません。

そのため、糖質を抑えるという点では糖質制限では使えません。しかし、糖質制限の本来の目的を考えれば特に問題はありません。

3-2.インスリンを抑えることが重要

糖質制限の目的として、体内のインスリンの分泌を抑えるということが目的になります。

糖質を摂取すると血糖値が上昇し、それを下げるホルモンであるインスリンが分泌されます。インスリンには余った糖を脂肪に変えて脂肪細胞に蓄える働きがあるため、糖質の摂取を控えてインスリンの分泌を抑えるということが糖質制限で痩せるためのメカニズムです。

このような目的があるので、血糖値を上げてしまう糖質を制限することになります。

つまり、「血糖値を上げてしまう糖質」を摂取しなければ問題ないのです。これはどういうことかというと、同じ糖質でも「血糖値を上げない糖質」というものもあるのです。

3-2-1.血糖値を上げない糖質

血糖値を上げない糖質は基本的に人工、もしくは天然の甘味料になります。

なぜ甘味料が糖質を上げないかというと、これらの甘味料は人体では吸収できないためです。そのため、この甘味料を摂取したとしても、体内に吸収されずそのまま体外に排出されるので血糖値を上げることがありません。そのため糖質制限の目的から考えるとこれらの糖質を摂ることは問題がないのです、

3-2-2.でんぷんには要注意

シュガーレスの商品は基本的に糖質制限は問題ありませんが、でんぷんには要注意です。でんぷんはトウモロコシ、米、小麦、豆類、ジャガイモ、タピオカを原料に作られているのですが、糖質制限について知っている人にはわかるように、トウモロコシ、米、小麦、ジャガイモなどは糖質制限中に積極的に食べていい食材ではありません。

でんぷんはそのままの状態では糖類に分類されないのですが、体内で分解され最終的に二糖類にまで分解されてしまいます。二糖類は紹介した通り糖類に分解される成分です、二糖類は体内で吸収されて血糖値を上げてしまうことになるので、シュガーレスだからといって安心しないように成分表示をチェックするようにしましょう。

4.まとめ

いかがでしたでしょうか。シュガーレスは糖類を基準値以内に抑えている製品につけることができます。糖類を抑えているため糖質制限には最適なものになります。しかし糖類は抑えられているのですが、糖質については制限がありません。基本的に含まれている糖質は体内に吸収されないものを使われているのですが、でんぷんなど体内で分解されて糖類として吸収されるものがあるので成分表示を確認するようにしましょう。

SNSで最新情報をチェック