「平均寿命、男女とも過去最高更新」2017年7月の日本経済新聞によるとこのような見出しが目に入りました。女性87.14歳、男性80.98歳と女性が4年連続、男性は5年連続で平均寿命が延びている、と記事にはありました。
ですが、長生きするようになったからと言って健康であるとは限りません。最近ではこれらのことから「健康寿命の延伸」という言葉をよく耳にするようになりました。寿命とともに健康である期間も延ばしましょう、ということですね。なるべく健康でいたいのは誰しも当然の願いだと思います。
でも漠然と健康と言っても何をしたら良いかわかりづらいもの。そこで、健康のためにできる「選択」をあなたに提案していきたいと思います。年齢と共に変わる体。特に注意したい検診の数値と数値を下げる効果を持つ健康食品や食材を今回はご紹介していきます。
目次
1.検診で注意すべき数値
検査を受けると様々な項目が並びますが、特に注意した項目が3つあります。それは血糖値、血圧、中性脂肪の値です。厚生労働省の死因順位による統計(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/suii09/deth8.html)を見てみると、1位は悪性新生物(ガン)、2位は心疾患、3位は脳血管疾患、4位は肺炎と続きます。そしてこれらの病気は血糖値、血圧、中性脂肪のいずれも関連があるというわけです。
では各数値はどのように表記されているのか、また、それらと関連がある数値も見ていきたいと思います。
1-1.血糖値
血糖値は非常に重要な数値の1つ。それは高血糖の先に糖尿病があり、糖尿病になると上記のような様々な病気を引き起こす原因になるからです。
合わせてチェックしたい数値はHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)という値。過去 1~2ヶ月の血糖の平均的な状態を反映するため、高血糖が慢性的か一時的なものかを判断する目安になります。
1-2.血圧
血圧も非常に重要な項目です。高血圧によって血管がダメージを受けると硬くなったり、血流が悪くなったりします。さらには血管が破けたり詰まったりしてしまうこともあります。
1-3.中性脂肪
中性脂肪も合わせてチェックしましょう。中性脂肪はTGやトリグリセリド、もしくはトリグリセライドと表示されることもあります。中性脂肪という漢字から見てわかるように、この数値が高いということは「万病の元」となる肥満の可能性が高いということになります。
また、中性脂肪に関わるところではコレステロールもチェックしたいところ。善玉のHDL、悪玉のLDLと2種類ありますが、特に注意したいのは悪玉コレステロール(LDL)です。悪玉が増えると血流の悪化や血管の詰まりの原因となります。
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2.健康への最善策は適切な食生活
病気を予防するための最善策は「食生活に気をつける」という1点しかありません。運動も必要ですが、最優先すべきは食事です。
もしあなたが、今後も健康でいたい、もしくは検診の数値を改善したいと考えるのであれば、どのような食生活が適切なのかを知り、実践すべきです。適切な食生活をすれば自然と血糖値、血圧、中性脂肪も改善していくでしょう。
あれもこれもでは長続きしないので、検診で注意すべき3つの数値を踏まえ、ここだけは押さえてほしいポイントをお伝えします。
2-1.ご飯の量は茶碗7分目
血糖値を上げる原因となるブドウ糖はほとんどが炭水化物に含まれる糖質が体で分解されたものです。糖質はエネルギーに変わる反面、食べ過ぎは各検診の数値にも悪い影響を及ぼします。
日本人が最も食べる炭水化物といえばご飯。そこで普段の食事のご飯を茶碗7分目にしましょう。7分目はおおよそご飯100gで、糖質の量は約37g。ゆるく糖質制限をする場合には1食当たりの糖質量の目安は約40~50gなので、普段茶碗1杯を食べている方はこれだけでも血糖値に大きく影響します。
2-2.間食をしない習慣を作る
ご飯の量を減らして、少し時間が経つとどうしてもお腹が減りますね。だからと言って間食を食べてしまっては本末転倒です。特におやつで食べるようなおせんべいやポテチ、和菓子などは糖質が高いものばかり。野菜の量を増やしたり、卵や肉などのタンパク質でかさ増しをして1食で済ませる工夫をしましょう。
どうしても食べたい時はチョコ1かけら程度を食べるのもオススメです。たとえ1かけらでもチョコの糖質が満腹中枢を刺激して、空腹感を和らげてくれます。
2-3.減塩
高血圧の原因は様々ですが、ナトリウム(塩分)のとりすぎは主な原因の1つです。ナトリウムは醤油、味噌、塩といった料理をおいしくする調味料に多く含まれています。
あまりにも濃い味にするのはよくありませんので、極端に薄味にするというよりも、塩は精製塩(食卓塩など)ではなく、ナトリウム含有率が低い自然塩(海塩など)にする、減塩の味噌や醤油を使うといった工夫をすることが良いでしょう。
2-4.野菜を始めに食べる意識付け
食事ではなるべく多く野菜をとること、まずはじめに野菜を食べることを意識しましょう。野菜には食物繊維が含まれていますが、これには体内の脂質、糖、ナトリウムなどを吸着して体外に排出する、といった役割を持っています。
先に食べることでそういった恩恵を得やすくなり、結果的に肥満や高血圧、糖尿病などの生活習慣病を予防してくれます。
3.取るべき健康食品・食材
次に健康のためにとってほしい食品や食材についてです。病気を予防するためには食事の制限が重要ですが、必要な栄養素は食事から摂取していかなくてはいけません。
3-1.おさかなすきやね
オススメは、1日の食事の中に、上手に取り入れて欲しい8種類の食品。「オサカナスキヤネ(お魚好きやね)」と覚えましょう。
3-1-1.お(お茶)
渋み成分のカテキンはコレステロール値、中性脂肪、血糖値を下げる作用があります。食事中、食事の前後でも1杯とると良いでしょう。
3-1-2.さ(魚)
DHA・EPAなどが多く含まれ、血行を良くしてくれます。DHA・EPAは不飽和脂肪酸と呼ばれ体内で生成できないため、食事から摂取する必要があります。
3-1-3.か(海藻)
海藻に含まれる水溶性食物繊維が中性脂肪を吸着して、排出してくれます。代謝を促進するミネラルも豊富に含まれています。
3-1-4.な(納豆)
納豆に含まれる、ナットウキナーゼには血管の詰まりを溶かす作用があります。また、脂質代謝を促進するビタミンB2も豊富です。
3-1-5.す(酢)
酢の持つクエン酸には赤血球の変形力を高めて、血流を良くしてくれます。
3-1-6.き(きのこ)
きのこ特有の成分であるβ-グルカンにはコレステロール値や血糖値を下げる効果があります。
3-1-7.や(野菜)
ビタミンやミネラルが豊富に含まれています。また、先述の通り脂質、糖、塩分を体外に排出する役割を持ちます。
3-1-8.ね(ねぎ)
ネギが持つ臭いのもとであるアリシンには血管の詰まり予防の他、体の老化を予防する活性酸素抑制の作用があります。
4.サプリのサポートでより効果的に
どうしても特定の綱目が気になったり、病院で指摘された項目がある場合、その項目をサポートする成分を含んだサプリを飲むことも効果的です。次にご紹介する成分は血糖値、中性脂肪、血圧に良いおすすめの成分です。気になる成分名があれば、成分名で検索をしてみましょう。その成分を含んだサプリがいくつか出てきますが、検索順位がなるべく上に出てきたものを試してみてください。
4-1.血糖値系:アカシア樹皮由来プロアントシアニジン
アカシアの木から取れる成分ですが、実はアカシアの木の種類は1000種にも及びます。その中でも特に効果が高いとされる成分が「アカシア樹皮由来プロアントシアニジン」とされています。
新成分であるため、研究結果こそ多くありませんが、消費者庁に届け出される機能性表示食品の取得、その効果の高さにより学会で公表されるなど、少しずつ認知されるようになっています。
4-2.血糖値系:サラシア
古来から血糖値対策として飲まれてきた血糖値系成分です。その実績、効果から多くの企業で糖対策成分として使用されています。そのため、臨床試験も豊富で、多数の研究結果が発表されています。
4-3.血圧系:DHA・EPA
DHAには、血管内の壁(血管壁)の細胞膜を柔らかくして伸縮性を高める作用があります。血管壁が柔らかくなると血管が拡がりやすくなるので、血圧が下がりやすくなります。
また、DHAとEPAを一緒に摂取することで相乗効果が期待できるので、これら2つが含まれたサプリメントを選びましょう。
4-4.血圧系:ナットウキナーゼ
納豆に含まれるナットウキナーゼには、血栓を溶かして血液をサラサラにする効果があります。実はこの納豆キナーゼが持つ、血栓溶解作用は薬より強力ともいわれています。しかも薬のように副作用がないため、その有用性は非常に高いと言えます。
4-5.中性脂肪系:DHA・EPA
DHA・EPAには中性脂肪対策にもオススメです。DHA・EPAには脂肪の分解、中性脂肪の合成の抑制、中性脂肪の腸からの吸収の抑制という3つの作用で中性脂肪を下げてくれます。
また、消費者庁による「食品の機能性評価モデル事業」の血中中性脂肪低減作用において、最高ランクのA評価を得ています。
4-6. 中性脂肪系:クリルオイル
クリルオイルとは天然の油脂で、中性脂肪を下げる働きが期待できる成分をいくつか含有しています。オイルに含まれる中性脂肪対策に有効とされる成分は上記の「DHA・EPA」に加え、「アスタキサンチン」です。
中性脂肪低減の効果はDHA・EPAにありますが、それ単独では酸化し、効果が低下してしまいます。ですが、クリルオイルに含まれるアスタキサンチンには酸化を防ぐ効果があるまめ、高い相乗効果が期待できるのです。
5.まとめ
近年、「健康寿命の延伸」と合わせて、「長寿によるリスク」も耳にするようになりました。長寿になる反面、加齢による病的リスクも同時に高まっています。それに伴い「健康であることの重要性」もかつてないほど、高まっています。
健康は一朝一夕では成り立ちません。悪い生活をすれば少しずつ体を蝕み、良い生活をすれば健康は続きます。その分岐点は「毎日の食生活」です。健康な道に進むためにも適切な食生活を学び、70代、80代になっても元気でいられるようになりましょう
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